減らす126人、増やす10人、
そして消える15人。

裁判所で働く人の数を、法律で決め直す。それが毎年おこなわれるこの法案の役目です。今年の中身は——デジタル化で事務職員を126人減らし、離婚後の子育てを調べる職員を10人増やし、なり手のいない若手裁判官の枠を15人削る。数字だけ見れば淡々とした調整です。しかし国会審議では、この数字の裏側にある現実が次々と暴かれました。心を病んで長期に休む職員。増員を求める声は「100人規模」。そして、起動に10分以上かかるパソコン。

-126
事務職員
+10
家裁調査官
-15
判事補の定員
10分以上
PCの起動時間

2026年3月10日、「裁判所職員定員法の一部を改正する法律案」が成立しました。裁判所で働く職員の定員を法律で定める、毎年恒例の法案です。

チームみらいはこの法案に「賛成」の立場を表明しました。

「職員数を調整するだけの地味な法案」——たしかにそのとおりです。しかし、この法案が扱う三つの数字を丁寧に読み解くと、日本の司法が抱える三つの深刻な課題が浮かび上がります。デジタル化の実像、離婚後の子どもをめぐる制度の激変、そして裁判官のなり手がいなくなっているという静かな危機です。

この記事でわかること

裁判所職員定員法とは何か/126人減の根拠となる民事裁判のデジタル化/家庭裁判所調査官10人増と共同親権/判事補が減り続ける構造/国会で指摘された3つの現場の実態/意見が分かれる3つの論点/チームみらいが賛成した理由/よくある質問

まず結論:この法案は何を決めたのか

📋 法案データ
正式名称裁判所職員定員法の一部を改正する法律案
法案の種類内閣提出法案(閣法)
成立日2026年3月10日
ひとことで言うと裁判所で働く人の数を見直し、離婚後の子育てを調べる体制を強化する法案
チームみらいの賛否✓ 賛成

審議のステータス

法案提出
衆議院審議
参議院審議
法案成立

出典:みらい議会(gikai.team-mir.ai)/参議院 議案情報

定員の増減サマリー

-126 事務職員 紙の手続きがオンラインへ移行するため
+10 家庭裁判所調査官 離婚後の子育てを調べる仕事の増加に対応
-15 判事補の定員 なり手不足で定員を満たせない実態に合わせる
外注 建物管理 退職者の後任を置かず外部委託へ

改正の4つのポイント

POINT 1

裁判所の事務職員を126人減らす

書類の受付や整理をする職員を126人減らします。紙の手続きがオンラインに変わり、事務の量が減るためです。裁判のIT化を、人員面から裏づける措置と言えます。

POINT 2

離婚後の子育てを調べる職員を10人増やす

離婚後も両親がともに子育てに関わるルールが2025年5月に加わりました。子どもの暮らしや親の状況を調べる職員を10人増やします。前の年にも5人増やしており、体制の強化が続いています。

POINT 3

判事補の定員を15人減らす

裁判官を目指す人が減り、定員どおりに人を確保できない状態が続いています。最近10年で法律の専門家は約3割増えたのに、若手裁判官(判事補)はかえって約2割減っています。実態に合わせた減員です。

POINT 4

建物の管理を外部の会社に切り替える

裁判所の建物を管理する職員が定年で退職するとき、後任を置かず外部の会社に任せます。コア業務に人員を集中させるための整理です。

126人減の根拠:民事裁判のデジタル化

まず、いちばん大きな数字である「事務職員126人減」から見ていきます。

📄 これまで:紙の裁判所
訴状も答弁書も証拠も、すべて紙

→ 窓口で受け付け、部数をそろえ、綴じ、記録を作り、当事者へ郵送する。
→ 記録の保管・検索・貸出も物理的な作業。
→ この膨大な紙の事務を、事務職員が支えていました。
💻 これから:オンライン提出
裁判の書類をインターネットで提出できるように。

→ 受付・複写・郵送といった紙の事務が大きく減る。
→ その分の人員を見直し、126人の削減へ。
→ 削減した人員枠を、他の必要な部門に回す原資にもなる。
【用語解説】民事裁判手続のデジタル化とは
訴状などの書類のオンライン提出、記録の電子化、ウェブ会議による期日の実施などを進める取り組みです。日本の裁判手続は長らく紙と対面を前提としてきましたが、法改正を経て段階的にデジタルへ移行しています。

利用者にとっては、裁判所に足を運ばずに手続きができるようになる大きな変化です。とくに遠方に住む当事者や、仕事を休みにくい人にとって、司法へのアクセスが改善される意味があります。

10人増の背景:離婚後の子どもをめぐる制度の激変

次に、増員される10人。これは家庭裁判所調査官と呼ばれる職種です。

【用語解説】家庭裁判所調査官とは
心理学・社会学・教育学などの専門知識をもとに、子どもの生活状況、親の養育環境、当事者の心情などを調査する専門職です。少年事件や、離婚に伴う親権・養育費・面会交流の争いで、裁判官が判断を下すための材料を集めます。

単に事実を調べるだけでなく、子どもと直接会って話を聞き、その意向を汲み取るという、きわめて繊細で専門性の高い仕事を担っています。

2025年5月、離婚後も両親がともに子育てに関わるルールが加わりました。これにより、家庭裁判所が判断すべき事柄が大幅に増えます。

どちらの親が子どもを育てるのか。共同で関わるとして、どのように役割を分けるのか。それが本当に子どもの利益になるのか。とくに、暴力や虐待の懸念がある場合には、慎重な見極めが不可欠です。

これらはすべて、書類を読むだけでは判断できません。実際に家庭を訪問し、子どもと会い、双方の親から話を聞く必要があります。だから調査官が要るのです。

ただし、この10人という数字には強い異論があります。国会審議では「100人規模の増員が必要」との意見が出されました。10人は、求められている規模の10分の1にすぎないという指摘です。

さらに深刻なのが地域格差です。みらい議会によれば、調査官が常にいる裁判所は全体の約半分にとどまり、残りは別の裁判所から出張で対応している状況です。つまり、住んでいる場所によって、子どもの声がどれだけ丁寧に聞かれるかが変わってしまう。これは司法サービスの平等という観点から、看過できない問題です。

15人減が示す、静かな危機

三つ目の数字が、実はいちばん重い意味を持っているかもしれません。判事補の定員を15人減らす——なぜなら、定員を埋められないからです。

法律の専門家全体
(この10年)
約+30%
判事補(若手裁判官)
(この10年)
約-20%

出典:みらい議会 法案解説ページ。法律の専門家は約3割増、判事補は約2割減。棒は増減の方向と規模を示す概念図です。

この対比は衝撃的です。法律の専門家(弁護士など)は約3割増えているのに、若手裁判官は約2割減っている。司法試験の合格者が増え、法律家の総数は拡大しているにもかかわらず、裁判官という進路を選ぶ人が減り続けているのです。

【用語解説】判事補とは
司法修習を終えて任官した、キャリア10年未満の若手裁判官です。10年の経験を積むと「判事」になります。つまり判事補は、将来の判事を生み出す供給源にあたります。

ここが細れば、10年後・20年後の判事が足りなくなります。今日の判事補不足は、未来の裁判所の人手不足を予告しているということです。
「実態に合わせて減らす」ことの意味

定員を15人減らすというのは、「裁判官を減らしたい」からではありません。定員を置いても人が集まらず、空席のままになっている——その実態に帳簿を合わせただけです。

しかし、ここには考えるべき問題があります。定員を実態に合わせて下げ続けると、「本来必要な人数」という基準そのものが失われていくからです。空席が続いたから枠を減らす。減った枠が新しい標準になる。そしてまた実態に合わせる——このループが続けば、司法の体制はじりじりと縮小していきます。

なぜ若手が裁判官を選ばなくなったのか。この問いに答えないまま定員だけを調整するのは、対症療法にすぎません。

国会審議が明らかにした、現場の実態

この法案の審議で最も価値があったのは、法案そのものよりも「裁判所の現場で何が起きているか」が可視化されたことかもしれません。

🏛️ 国会で指摘された3つの実態

  • 心の病気で長期間休む職員がいる。オンライン化で紙の仕事は減るが、それが職員の負担軽減に直結しているとは限らない。「定員を減らし続ける方針には限界がある」との指摘がなされた。
  • 調査官の増員は「100人規模が必要」との意見。今回の10人増では、離婚後の新しいルールに対応しきれないのではないか。調査官が常駐する裁判所は全体の約半分にとどまる。
  • 裁判所のパソコンが古く、起動に10分以上かかる。オンライン化で効率化するはずが、機器の性能が追いついていない。

「起動に10分」が象徴するもの

この指摘は、単なる笑い話ではありません。日本のデジタル化政策が抱える構造的な欠陥を、一つの具体例として突きつけています。

制度をオンライン化する。そのぶん人を減らす。ここまでは論理的です。しかし、その前提となる機器の更新が伴っていなければ、効率化は絵に描いた餅になります。

1日1回、起動に10分。職員1,000人が年間240日勤務すれば、それだけで年間4万時間が失われる計算です。人数を126人減らして得る効率と、老朽化した機器が食いつぶす時間。どちらが大きいのか——この検証がないまま定員だけを削れば、現場が壊れます。

デジタル化とは、システムを導入することではありません。それは、①制度の設計、②機器とネットワークの整備、③職員の習熟支援、④業務プロセスの再設計——これらすべてが揃って初めて効果を生みます。

日本の行政DXがしばしば失敗するのは、①だけを法律で決めて、②③④を予算と現場に丸投げするからです。「起動に10分かかるパソコン」は、その象徴的な帰結です。

意見が分かれる3つの論点

論点 内容
① 人を減らして現場の負担が重くならないか オンライン化で紙の仕事は減りますが、心の病気で長期間休む職員がいます。国会では「定員を減らし続ける方針には限界がある」との指摘がありました。若手の退職が増えていることも問題になっています。削減が「効率化の成果」なのか「現場のすり減り」なのか、見極めが必要です。
② 10人の増員で新しいルールに対応できるのか 子どもの暮らしを調べる職員を10人増やしますが、国会では「100人規模の増員が必要」との意見がありました。調査官が常にいる裁判所は全体の約半分にとどまり、残りは別の裁判所から出張で対応しています。地域格差が実在します。
③ パソコンが古くて仕事が進まない問題 国会では、裁判所のパソコンが古く、起動に10分以上かかることが指摘されました。オンライン化で仕事を効率化するはずが、機器の性能が追いついていない状況です。ハードへの投資なくして、人員削減の前提は成立しません。

チームみらいはなぜ「賛成」を選んだのか

みらい議会における立場
✓ 賛成

チームみらいは、この裁判所職員定員法改正案に賛成の立場を表明しました。デジタル化による効率化を人員配置に反映させ、必要な分野へ再配分するという構造は、行政のアップデートを掲げる政党にとって支持すべき方向性です。同時に、国会で指摘された現場の課題は、賛成した後にこそ追及すべきものとして残ります。

① 減らして終わりではない

事務職員126人減の一方で、家裁調査官は10人増。前年も5人増。削減と増員をセットで行う「再配分」の構造であり、単なる緊縮ではありません。

② 実態に制度を合わせる

判事補の定員は、埋められないまま形骸化していました。空席の枠を維持しても意味はありません。ただし原因究明は別途必要です。

③ 課題の可視化に価値がある

この審議は「起動10分のPC」「調査官の地域格差」「休職者の存在」を記録に残しました。この可視化こそが次の予算要求の根拠になります。

賛成しつつ、宿題を明確にする

この法案への賛成は、「現状に問題がない」という意味ではありません。むしろ逆で、みらい議会が3つの論点をすべて明記していること自体が、課題認識の表明です。

定員法は毎年改正されます。つまり、来年もまたこの議論をする機会があるということです。だとすれば、今年の賛成は「1年後にどこまで改善したか」を問う起点になります。

1年後に検証すべき3つのチェックポイント

調査官の増員は続いたか。前年5人、今年10人。この積み増しのペースで、「100人規模が必要」という指摘に応えられるのか。常駐する裁判所の割合は上がったか。
機器の更新に予算がついたか。起動10分のパソコンは入れ替わったか。オンライン化の前提となるハードへの投資が行われたか。
職員の休職・若手の退職は減ったか。削減が効率化の結果なのか、現場のすり減りの結果なのかは、この数字に表れます。

定員法は毎年改正される法律です。だからこそ、毎年検証できる。この継続性を活かせるかどうかが、「見える化」を掲げる政党の真価が問われるところです。

デジタル化を語る政党だからこそ、言うべきこと

チームみらいは、行政のデジタル化を最重要政策のひとつに掲げています。だからこそ、「オンライン化したから人を減らせる」という論理を無条件に受け入れてはならない立場でもあります。

本当のデジタル化とは、業務プロセス全体を再設計することです。書類をPDFにしてメールで送るだけでは、単なる置き換えにすぎません。しかも、その前提となる機器が10分かけて起動するようでは、効率化どころか劣化です。

エンジニア出身者を多数擁するこの政党が果たすべき役割は、「デジタル化したから人を減らす」という抽象論ではなく、「どの業務が本当に自動化され、どこにボトルネックが残っているか」を実務レベルで検証することでしょう。起動時間という具体的な指標が国会の記録に残ったことは、その第一歩です。

この改正で、誰の何が変わるのか

👔
裁判所の職員

人数が減り、新しいシステムの操作も求められます。デジタル化の移行期は、旧来の業務と新しい業務が並行するため、一時的に負担が増えることが知られています。ここでの支援が不十分だと、休職や離職につながります。

👨‍👩‍👧
離婚や子育てで裁判所を利用する人

調べる職員が増え、調査がより丁寧になります。ただし地域による差があります。調査官が常駐する裁判所は約半分。住む場所によって、子どもの声がどれだけ聞かれるかが変わってしまう現実は残ります。

⚖️
裁判を利用する人

書類の提出や確認がオンラインでできるようになります。遠方に住む人、仕事を休みにくい人、身体に障害のある人にとって、司法へのアクセスが実質的に改善される意味は大きいものがあります。

🎓
これから法律家を目指す人

判事補の定員が減ることは、直接には採用枠の縮小を意味します。ただしそもそも定員を満たせていないのが現状であり、実質的な影響は限定的です。むしろ問われるのは、なぜ裁判官という進路が選ばれなくなったのかという根本原因です。

よくある質問

裁判所職員定員法とは、何をする法律ですか?
裁判所で働く職員の定員(人数の上限)を法律で定めるものです。裁判官、書記官、事務官、家庭裁判所調査官などの人数が規定されています。仕事の量や内容の変化に合わせて毎年見直されており、今回の改正もその一環です。つまり、この議論は来年も再来年も行われます。
126人減らして、裁判所は回るのですか?
根拠は、裁判の書類をインターネットで提出できるようになり、紙の事務が減ることです。理屈としては成立します。ただし国会では「心の病気で長期間休む職員がいる」「定員を減らし続ける方針には限界がある」「若手の退職が増えている」という指摘がありました。削減が効率化の成果なのか、現場のすり減りの結果なのかは、今後の数字で検証する必要があります。
家庭裁判所調査官とは、どんな仕事をする人ですか?
心理学・社会学・教育学などの専門知識をもとに、子どもの生活状況、親の養育環境、当事者の心情などを調査する専門職です。少年事件や、離婚に伴う親権・養育費・面会交流の争いで、裁判官が判断を下すための材料を集めます。書類を読むだけではわからないことを、実際に子どもや親と会って確かめる——子どもの利益を守るうえで決定的に重要な役割を担っています。
10人の増員で足りるのですか?
国会では「100人規模の増員が必要」との意見が出ています。10人はその10分の1です。さらに、調査官が常にいる裁判所は全体の約半分にとどまり、残りは別の裁判所から出張で対応しています。前の年に5人、今年10人という積み増しは方向としては正しいものの、ペースが必要な規模に追いついていないという評価が妥当でしょう。
なぜ判事補(若手裁判官)が減っているのですか?
みらい議会が示すのは、最近10年で法律の専門家は約3割増えたのに、判事補は約2割減っているという事実です。法律家全体が増えているのに裁判官志望者だけが減っているということは、司法試験の合格者数の問題ではなく、裁判官という職業の魅力や働き方に構造的な要因がある可能性を示唆します。転勤の多さ、業務量、キャリアの自由度などが指摘されることがありますが、この法案自体はその原因に踏み込んでおらず、定員を実態に合わせる調整にとどまっています。
「起動に10分かかるパソコン」というのは本当ですか?
国会審議で指摘された内容として、みらい議会に明記されています。オンライン化で仕事を効率化するはずが、機器の性能が追いついていないという状況です。これは笑い話ではなく、デジタル化政策の構造的欠陥を示しています。制度をオンライン化して人を減らす一方で、その前提となる機器の更新に予算がついていなければ、効率化は実現しません。ハードへの投資なくして、人員削減の前提は成立しないのです。
建物管理を外部委託するのは、コスト削減になるのですか?
定年退職者の後任を置かず外部委託に切り替えることで、人件費は定員から外れます。ただし委託費は別途発生するため、総コストが下がるかどうかは委託条件次第です。この措置の主眼はコスト削減というより、限られた定員枠を裁判所の中核業務(審理・調査・書記)に集中させるという配分の考え方にあると読むべきでしょう。
この法案に反対する立場はどういうものですか?
主に「削減が先行しすぎている」という立場です。①現場は既に人手不足で休職者が出ている、②調査官10人増は必要規模に遠く及ばない、③機器の老朽化でデジタル化の効果が出ていない——にもかかわらず126人減らすのは順序が逆だ、という論理です。この批判には正当な根拠があります。賛成する立場は、削減と増員をセットで行う再配分の構造を評価しつつ、これらの課題を毎年の改正のなかで継続的に追及していくというアプローチを取ることになります。

まとめ:数字の裏側にある現場

126人、10人、15人。この法案が扱うのは、それだけの数字です。国会でも大きな争点にはなりませんでした。

しかし、その数字を一つずつ開けていくと、そこには日本の司法が直面している三つの現実が入っていました。

紙からデジタルへの移行が進んでいること。そしてその移行が、起動に10分かかるパソコンの上で行われていること。離婚後の子どもをめぐる制度が大きく変わり、専門職の需要が急増していること。そしてその増員が、必要とされる規模の10分の1にとどまっていること。法律家は増えているのに、裁判官のなり手だけが減り続けていること。そしてその原因が、誰にも解明されていないこと。

この記事のまとめ

✅ デジタル化で事務職員を126人減らす(書類のオンライン提出により紙の事務が減少)
✅ 離婚後の子育てを調べる家庭裁判所調査官を10人増やす(前年も5人増)
✅ 判事補の定員を15人減らす。なり手不足で定員を満たせない実態に合わせた措置
✅ 法律の専門家は10年で約3割増だが、判事補は約2割減という深刻な逆行
✅ 建物管理は退職者の後任を置かず外部委託へ
✅ 国会では「休職者の存在」「100人規模の増員が必要」「起動10分のパソコン」が指摘された
✅ 調査官が常駐する裁判所は全体の約半分。司法サービスに地域格差が存在する
✅ チームみらいは賛成。「削減と増員のセットによる再配分」「実態に制度を合わせる」「課題の可視化に価値がある」という3つの論理に基づく
✅ 定員法は毎年改正される。だからこそ1年後に検証できる

裁判所は、社会の最後の砦です。そこが人手不足で回らなくなれば、権利を侵害された人が救済されなくなります。離婚した親のもとで暮らす子どもの声が、誰にも聞かれないまま処理されていくことになります。

この法案は地味です。しかし、地味な法案ほど誰も見ていない。見ていない場所で、静かに何かが削られていく——それを防ぐ唯一の方法は、こうして数字の裏側を開けて見ることなのだと思います。来年も、この法案は提出されます。そのとき、今年指摘された三つの課題がどうなっているか。それを確かめることが、この記事を読んだ人にできる、いちばん実効的な監視です。

参考・出典

  • みらい議会「裁判所職員定員法の一部を改正する法律案」
    https://gikai.team-mir.ai/bills/8626131e-6270-4f94-82ad-7846a0fd37c0
  • 参議院「裁判所職員定員法の一部を改正する法律案 議案情報」
  • 法務省「裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(法律案要綱・新旧対照条文)」
  • 内閣法制局「第221回国会提出法案一覧」
  • 裁判所「民事裁判手続のデジタル化」

※本記事はチームみらいの非公式応援サイトによる解説です。法案の正確な内容は必ず一次資料をご確認ください。数値および国会審議での指摘内容は、みらい議会の掲載情報に基づいています。なお、みらい議会側の当該ページは有識者レビュー中であり、今後内容が更新される可能性があります。