この改正に、
こんな一文がある。

「若い人の給料が、その地域で定められた最低賃金より低くならないようにするための手当を新しく設置します。」
——国を守る仕事に就く若い自衛官の給与が、最低賃金を下回りうる。だから、それを防ぐ手当を新設する。この一文が、待遇の現在地を物語っています。
今回の改正では、自衛官の月給が引き上げられ、年間ボーナスは4.60か月分から4.65か月分へ。防衛大学校の学生や高等工科学校の生徒のボーナスも増えます。

4.65か月分
一般隊員の年間ボーナス
3.50か月分
指定職のボーナス
新設
最低賃金割れ防止の手当
学生も
ボーナスが増額

2025年12月18日、「防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案」が成立しました。自衛官などの防衛省で働く人の給料やボーナスを見直す法律です。

チームみらいはこの法案に「賛成」の立場を表明しました。

この法案は、単独で存在するものではありません。同じ時期に成立した一般職・特別職の給与法と、ワンセットで理解する必要があります。

この記事でわかること

自衛官の給与とボーナスがどう変わるのか/なぜ一般職の改正に連動するのか/「最低賃金を下回らないための手当」が意味すること/本府省業務調整手当の対象拡大/防衛大学校・高等工科学校の学生に給与が支払われる理由/3つの給与法案の関係/意見が分かれる論点/チームみらいが賛成した理由/よくある質問

まず結論:この法案は何を決めたのか

📋 法案データ
正式名称防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案
分野人事
法案の種類内閣提出法案(閣法)
成立日2025年12月18日
対象自衛官などの防衛省で働く人防衛大学校などの学生・高等工科学校の生徒
主な内容自衛官の月給を引き上げ/年間ボーナスを4.60 → 4.65か月分(指定職は3.45 → 3.50か月分)/学生・生徒のボーナスも増額本府省業務調整手当の対象拡大最低賃金を下回らないための手当を新設
ひとことで言うと自衛官の給料やボーナスを見直すための法律
チームみらいの賛否✓ 賛成

審議のステータス

法案提出
衆議院審議
参議院審議
法案成立

出典:みらい議会(gikai.team-mir.ai)/防衛省 国会提出法案

3つの給与法案は、セットで動いている

この法案を理解する最短の道は、同時期に審議された3つの給与法案を並べることです。

🔗 連動する3つの給与法案とチームみらいの賛否
① 一般職給与法

国家公務員全体の基準。民間との月額15,014円の差を解消し、初任給を大幅に引き上げ。ボーナスは4.65か月分へ。

✓ 賛成
② 防衛省職員給与法 ← この記事

①に連動。自衛官の月給引き上げ、ボーナスは4.60 → 4.65か月分。学生・生徒のボーナスも増額。

✓ 賛成
③ 特別職給与法

大臣などが対象。給与とボーナスを引き上げるが、国会議員を兼ねる大臣には支給されない

✕ 反対

※③に反対した理由は「給与が高すぎる」ではなく、「重い職務に報酬が支払われない設計だから」です。詳しくはこちら

【なぜ連動するのか】
みらい議会の説明はシンプルです。「国は、民間の会社の給与を調べてなるべく同じになるように国の公務員の給与を見直します。その結果に合わせて自衛官の給与も調整します。」

公務員の給与は、人事院という中立的な機関が毎年民間企業の給与を調査し、その結果に基づいて勧告を出すことで決まります。

ただし、人事院が直接扱うのは「一般職」です。自衛官は一般職ではないため、別の法律で、一般職の改定に合わせて調整されるという構造になっています。

だからこの法案は、単独では動きません。一般職の給与法が改正されて初めて、それに連動する形で提出されます。

みらい議会の関連リンクにも「みらい議会:一般職の国家公務員の給与や手当を変更する法律案」が挙げられており、両者が一体であることが示されています。

ボーナスは、いくら増えるのか

対象 改正前 改正後 増加
一般の隊員
年間ボーナス(月額給与の何か月分か)
4.60か月分 4.65か月分 +0.05
指定職と呼ばれる一部の隊員 3.45か月分 3.50か月分 +0.05
防衛大学校などの学生
高等工科学校の生徒
ボーナスが増額されます 増額
月々の給与 自衛官の毎月の給与を引き上げます

出典:みらい議会 法案解説ページ。「一般職の国家公務員の給与の改正に伴って」の調整です。一般職の年間ボーナスも同じく4.65か月分、指定職は3.50か月分になっています。

この法律の3つのポイント

POINT 1

自衛官の給与を引き上げる

自衛官の毎月の給与を引き上げます。また一般職の国家公務員の給与の改正に伴って、一般の隊員の年間ボーナスは4.60月分から4.65月分に、指定職と呼ばれる一部の隊員は3.45か月分から3.50か月分に増額されます。

POINT 2

学生や生徒のボーナスを引き上げる

防衛大学校などの学生や、高等工科学校の生徒のボーナスも増えます。

POINT 3

仕事の大変さに合わせた手当を貰える人が増える

大きな責任のある仕事をする人に対しては追加の手当が払われていますが、防衛省の中でこの手当を貰える人が増えます。また若い人の給料が、その地域で定められた最低賃金より低くならないようにするための手当を新しく設置します。

「最低賃金を下回らないための手当」が意味すること

この一項目は、静かですが衝撃的です。

「若い人の給料が、その地域で定められた最低賃金より低くならないようにするための手当を新しく設置します。」

最低賃金は、国が法律で定めた「これ以下で人を働かせてはならない」という下限です。民間企業が違反すれば罰則の対象になります。

その最低賃金を、国を守る仕事に就く若い隊員の給与が下回りうる。だから手当を新設して補う——それが、この改正の中身です。

【なぜこうなったのか】
近年、最低賃金は継続的に、かつ比較的大きな幅で引き上げられてきました。物価上昇と労働市場の逼迫を受けた政策判断です。

一方、公務員給与の改定は毎年の人事院勧告と、国会での法改正を経る必要があります。手続きに時間がかかり、改定幅も勧告の範囲に縛られます。

その結果、地域や職種によっては、最低賃金の上昇に給与が追いつかない状況が生じかねなくなっていたのです。

なお、同時期に成立した一般職の給与法にも、まったく同じ趣旨の規定が置かれています。つまりこれは、自衛官だけの問題ではありません。
⚠️ 放置した場合に起きること
公務員の給与が最低賃金を下回る

→ 法制度としての整合性が失われる(国が定めた下限を、国自身が守っていない状態)
採用競争力の決定的な喪失——アルバイトのほうが時給が高い、という状況
→ 若年層の離職の加速

これは、待遇の問題であると同時に、制度の信頼性の問題です。
✅ 今回の対応
不足を補う手当を新設

→ 最低賃金を下回る事態を制度的に防止
→ 地域ごとの最低賃金の違いにも対応

ただし、これは「下限を守る」ための措置にすぎません。

最低賃金は「これ以下は違法」という線であって、目指すべき水準ではありません。

本府省業務調整手当の対象拡大

「大きな責任のある仕事をする人」への手当

みらい議会の記述です。「大きな責任のある仕事をする人に対しては追加の手当が払われていますが、防衛省の中でこの手当を貰える人が増えます。」

影響を受ける人の欄には、より具体的にこう書かれています。「一部防衛省職員:新たに本府省業務調整手当の支給対象になります。」

【本府省業務調整手当とは】
中央省庁(国の行政を行う役所の中心部分)に勤務する職員に支給される手当です。政策の企画立案、法令の作成、国会対応といった業務の負荷に対応するものです。

同時期に成立した一般職の給与法では、中央省庁に勤務する管理職に月51,800円が新たに支給されるとされています。

【なぜ防衛省でも対象を広げるのか】
防衛省・自衛隊の業務は、部隊での任務だけではありません。防衛政策の立案、装備品の調達、法令の整備、国際的な調整、国会対応——これらは他省庁の本省業務と同種の高度な業務です。

同じ性質の業務に、同じ手当を支給する。これは制度の整合性を取る作業です。

なぜ、防大生に給与が支払われるのか

この法案でもうひとつ注目すべきは、学生・生徒のボーナスも増額されるという点です。「学生に給与?」と疑問に思う人も多いでしょう。みらい議会は、この点を明確に説明しています。

🎓 なぜ学生・生徒に給与が支払われるのか——3つの理由
🏛️
国家公務員に準じる身分

「入校した時点で国家公務員に準じる身分になる」——単なる学生ではなく、国の機関に属する立場です。

📋
将来の勤務義務

「将来自衛官になって一定期間の勤務を続ける義務があります」——卒業後の進路が制度上定められています。

🏠
宿舎生活の義務

「厳格なルールのもと、宿舎生活が義務付けられる」——住む場所も生活も、自由に選べません。

みらい議会の記述:「防衛大学校や防衛医科大学校、高等工科学校は単なる教育機関ではなく、自衛官を育成する国の機関です。(中略)学生が学びに集中できるよう金銭的な生活基盤を国で保障する必要があります。」

この説明は、一般の大学生との違いを明確にします。

一般の大学生は、学ぶ場所も、住む場所も、卒業後の進路も、自分で選べます。アルバイトもできます。休学も、転学も、中退も自由です。

一方、防衛大学校の学生は——
・入校した時点で国家公務員に準じる身分になる
宿舎生活が義務で、私生活の自由が制限される
・厳格な規律のもとで訓練を受ける
卒業後は自衛官として一定期間勤務する義務がある

これは「学生」であると同時に、「将来の職務が約束された国の要員」です。自由と引き換えに、生活基盤を国が保障する——この構造には合理性があります。

そして、待遇が下がれば志願者は減ります。防衛人材の育成は10年、20年単位の話であり、入口が細れば、その影響は長く続きます。

意見が分かれるところ

みらい議会が挙げる論点は、1つです。

論点 👍 期待される効果 ☝️ 注意が必要なところ
制度をそろえること
vs
財政負担がふえること
給料の決め方がそろい、国の中の公務員全体の給料がより公平になります。 国のお金の負担が増えます。

出典:みらい議会「意見がわかれるところ」の記述を原文どおり整理。

「制度をそろえる」ことの価値

この論点は、地味に見えて重要です。

もし自衛官の給与だけが別のルールで決まっていたらどうなるでしょうか。

・防衛政策への賛否によって、待遇が左右されかねない
・財政が厳しくなったとき、削りやすい対象になる
・逆に、政治的な理由で不合理に優遇される可能性もある

給与の決定が政治的な判断に晒されることは、組織にとって危険です。職務に集中できなくなり、待遇をめぐる政治工作が生まれます。

民間水準との比較という客観的な基準に、全体を揃えること——それが「公務員全体の給料がより公平になります」の意味です。

【一方で、財政負担は増える】
給与改定は、毎年発生する固定費です。防衛費全体が増加傾向にあるなかで、人件費の増加分も積み上がります。

ただし、装備品の調達費と比べれば、給与改定による増分は限定的です。そして——どれだけ高性能な装備を揃えても、それを運用する人がいなければ機能しません。

チームみらいはなぜ「賛成」を選んだのか

みらい議会における立場
✓ 賛成

チームみらいは、この防衛省職員給与法改正案に賛成の立場を表明しました。同日成立した一般職給与法にも賛成しており、判断は一貫しています。民間との差を埋め、最低賃金を下回る事態を防ぎ、業務の性質に応じた手当を整える——いずれも「働きに見合った報酬を払う」という原則から導かれる内容です。

① 一般職との整合性

一般職の改正に連動する制度である以上、一般職に賛成して防衛省分に反対する理由はありません。判断の一貫性の問題です。

② 最低賃金割れの防止

国が定めた下限を、国自身の職員の給与が下回る——制度の整合性そのものが問われる事態への当然の是正です。

③ 装備より、まず人

どれだけ高性能な装備を揃えても、運用する人がいなければ機能しません。人材への投資は防衛力の土台です。

3つの給与法案から読み取れる、一貫した原則

✅ 一般職・防衛省 → 賛成
民間との差を埋め、実際に支給される改正

働きに見合った報酬に近づくから賛成

一般職では民間との差が月額15,014円。防衛省はそれに連動。どちらも受け取る人に実際に届く改正です。
✕ 特別職 → 反対
大臣などの給与を引き上げるが、支給されない

重い職務に報酬が支払われない設計だから反対

公開コメント:「負荷の高い閣僚業務に対して、適切な報酬が与えられないことは報酬の公平性の観点から問題がある」

→ 詳しくはこちらの記事で
賛成したうえで、残る課題

① 給与を上げるだけでは、人材確保は解決しない
自衛官の勤務には、転勤の多さ、災害派遣による長期の不在、家族の生活への影響など、給与では埋めきれない負担があります。待遇改善は必要条件であって、十分条件ではありません。

② 最低賃金割れの防止は「下限」の話
手当で補うことは当然の措置ですが、最低賃金は「これ以下は違法」という線であって、目指すべき水準ではありません。この規定が必要になった事実そのものを、重く受け止める必要があります。

③ 財政負担と業務の効率化
論点として挙げられた「国のお金の負担が増えます」への答えは、待遇を抑えることではありません。装備調達の適正化、事務作業のデジタル化、重複業務の削減——人件費以外の部分で無駄を減らすことです。

この改正で、誰の何が変わるのか

🎖️
自衛官

月額給与の増額により収入が増加します。年間ボーナスも4.60か月分から4.65か月分へ(指定職は3.45から3.50か月分へ)。若年層には最低賃金を下回らないための手当も新設されます。

🎓
防衛大学校や高等工科学校などの学生・生徒

ボーナスが増加します。入校した時点で国家公務員に準じる身分になり、宿舎生活が義務付けられ、将来の勤務義務があることを踏まえた措置です。

📋
一部の防衛省職員

新たに本府省業務調整手当の支給対象になります。防衛政策の立案や法令整備など、他省庁の本省業務と同種の高度な業務に対応する手当です。

🧾
納税者

国のお金の負担が増えます。給与改定は毎年発生する固定費です。ただし装備品の調達費と比べれば増分は限定的で、人材なしには装備も機能しません。

よくある質問

自衛官の給与は、どう変わるのですか?
毎月の給与が引き上げられます。あわせて年間ボーナスが、一般の隊員は月額給与の4.60か月分から4.65か月分に、指定職と呼ばれる一部の隊員は3.45か月分から3.50か月分に増額されます。

これは「一般職の国家公務員の給与の改正に伴って」行われる調整です。一般職の年間ボーナスも同じく4.65か月分、指定職は3.50か月分になっています。
なぜ一般職の改正に連動するのですか?
みらい議会の説明です。「国は、民間の会社の給与を調べてなるべく同じになるように国の公務員の給与を見直します。その結果に合わせて自衛官の給与も調整します。」

公務員の給与は、人事院が毎年民間企業の給与を調査し、勧告を出すことで決まります。ただし人事院が直接扱うのは「一般職」です。

自衛官は一般職ではないため、別の法律で、一般職の改定に合わせて調整されるという構造になっています。だからこの法案は単独では動かず、一般職の給与法とセットで提出されます。
「最低賃金を下回らないための手当」とは、どういうことですか?
「若い人の給料が、その地域で定められた最低賃金より低くならないようにするための手当を新しく設置します」という改正です。

最低賃金は国が法律で定めた「これ以下で人を働かせてはならない」という下限です。民間企業が違反すれば罰則の対象になります。その最低賃金を、国を守る仕事に就く若い隊員の給与が下回りうる——だから手当で補う、というのがこの規定です。

背景には、最低賃金が継続的に大きく引き上げられてきた一方、公務員給与の改定は人事院勧告と国会での法改正を経る必要があり、上昇に追いつきにくいという構造があります。

なお、同時期の一般職の給与法にも同じ趣旨の規定が置かれています。
なぜ防衛大学校の学生に給与が支払われるのですか?
みらい議会の説明が明快です。「防衛大学校や防衛医科大学校、高等工科学校は単なる教育機関ではなく、自衛官を育成する国の機関です。入校した時点で国家公務員に準じる身分になるだけでなく将来自衛官になって一定期間の勤務を続ける義務があります。また厳格なルールのもと、宿舎生活が義務付けられるため、学生が学びに集中できるよう金銭的な生活基盤を国で保障する必要があります。」

一般の大学生は学ぶ場所も住む場所も卒業後の進路も自分で選べます。アルバイトも、休学も、転学も自由です。

一方、防大生は国家公務員に準じる身分で、宿舎生活が義務卒業後の勤務義務があります。自由と引き換えに生活基盤を国が保障する——この構造には合理性があります。
「本府省業務調整手当」とは何ですか?
中央省庁(国の行政を行う役所の中心部分)に勤務する職員に支給される手当です。政策の企画立案、法令の作成、国会対応といった業務の負荷に対応するものです。

今回、防衛省の中でこの手当を貰える人が増えます。

防衛省・自衛隊の業務は部隊での任務だけではありません。防衛政策の立案、装備品の調達、法令の整備、国際的な調整、国会対応——これらは他省庁の本省業務と同種の高度な業務です。同じ性質の業務に同じ手当を支給する——制度の整合性を取る作業といえます。
財政負担が増えるのではないですか?
みらい議会も論点として挙げています。「国のお金の負担が増えます。」給与改定は毎年発生する固定費であり、これは事実です。

ただし、装備品の調達費と比べれば、給与改定による増分は限定的です。そして——どれだけ高性能な装備を揃えても、それを運用する人がいなければ機能しません。

また、この論点には「制度をそろえること」という期待される効果が対置されています。「給料の決め方がそろい、国の中の公務員全体の給料がより公平になります。」
「制度をそろえる」ことに、どんな意味があるのですか?
もし自衛官の給与だけが別のルールで決まっていたら——防衛政策への賛否によって待遇が左右されかねず、財政が厳しくなったときには削りやすい対象になります。逆に、政治的な理由で不合理に優遇される可能性もあります。

給与の決定が政治的な判断に晒されることは、組織にとって危険です。職務に集中できなくなり、待遇をめぐる政治工作が生まれかねません。

民間水準との比較という客観的な基準に、全体を揃えること——それが「公務員全体の給料がより公平になります」の意味です。
チームみらいは、同時期の他の給与法案にはどう対応したのですか?
3つの給与法案のうち、一般職給与法とこの防衛省職員給与法には「賛成」、特別職給与法(大臣など)には「反対」しています。

特別職に反対した理由は「給与が高すぎる」ではありません。その正反対です。特別職給与法には「大臣が国会議員である場合、当面の間は大臣としての仕事に対する給与は支給されません」という規定があり、「負荷の高い閣僚業務に対して、適切な報酬が与えられないことは報酬の公平性の観点から問題がある」として反対しました。

3つの賛否を貫く原則は一貫しています。「働きに見合った報酬を払うべきだ」——それだけです。

まとめ:装備は買えても、人は買えない

この法案は、報道されることの少ない、地味な改正です。ボーナスが4.60か月分から4.65か月分へ。増えるのは0.05か月分です。

しかし、そのなかに「若い人の給料が、その地域で定められた最低賃金より低くならないようにするための手当を新しく設置します」という一文があります。

この記事のまとめ

自衛官の毎月の給与を引き上げ
✅ 年間ボーナスは一般の隊員が4.60 → 4.65か月分、指定職が3.45 → 3.50か月分
防衛大学校などの学生・高等工科学校の生徒のボーナスも増額
本府省業務調整手当の支給対象が防衛省内で拡大
若年層の給与が最低賃金を下回らないための手当を新設
✅ 一般職の国家公務員の給与改正に連動する制度(人事院勧告 → 一般職 → 防衛省)
✅ 学生に給与が出るのは「国家公務員に準じる身分」「将来の勤務義務」「宿舎生活の義務」があるため
✅ 論点は「制度をそろえること」vs「財政負担が増えること」
✅ チームみらいは賛成。特別職給与法には反対しており、原則は「働きに見合った報酬を払うべき」で一貫

国が定めた最低賃金という下限を、国自身の職員の給与が下回りうる。この事実は、防衛力をめぐる議論のなかで、最も語られない部分かもしれません。

防衛の議論では、装備品が主役になります。何を、いくらで、何機買うのか。予算の議論も、そこに集中します。

しかし、装備は買えても、人は買えません。

訓練された自衛官が育つには年月がかかります。防衛大学校の学生が第一線の指揮官になるまでには、さらに長い時間が必要です。入口が細れば、その影響は10年、20年先に現れます。そして、そのときに慌てても間に合いません。

ボーナス0.05か月分の増額と、最低賃金を下回らないための手当。派手さはありませんが、これは防衛力の土台に関わる改正です。

参考・出典

※本記事はチームみらいの非公式応援サイトによる解説です。法案の正確な内容は必ず一次資料をご確認ください。数値はみらい議会の掲載情報に基づいています。人事院勧告の仕組みや自衛官の勤務環境に関する説明は、一般的な制度の解説であり、法案の条文そのものではありません。なお、みらい議会側の当該ページの内容は今後更新される可能性があります。