「憲法改正は賛成か反対か」「9条を変えるのか守るのか」——日本政治で最も議論が紛糾するテーマに、チームみらいはどう向き合っているのか。単純な「改憲か護憲か」の二項対立を超えた、テクノロジー政党ならではの現実的で建設的な安全保障ビジョンがここにあります。
さらに、現代の安全保障はもはや戦車・戦艦だけの時代ではありません。2025年だけで日本の重要インフラへのサイバー攻撃は年間数十万件を超え、AIを使った情報戦・フェイク動画による世論操作が世界中で現実の脅威となっています。チームみらいが「サイバー防衛とAI外交」を安全保障の柱に据える理由——この記事で完全解明します。
この記事でわかること
- チームみらいの憲法スタンス(国民主権・人権・平和主義の堅持と改正検討の両立)
- 9条問題に対するチームみらいの現実的アプローチ
- 北東アジア安全保障環境の現状——データで見る脅威の実態
- サイバー防衛政策の4本柱と官民連携の具体策
- 「AI立国」を外交カードにする戦略の全貌
- 防衛費・専守防衛・非核三原則に関する方針
- 他政党との安全保障スタンス比較
チームみらい安全保障政策の5本柱
チームみらいの安全保障政策は、「軍事力だけが安全保障ではない」という現代的な認識に基づいています。ハードパワー(軍事)とソフトパワー(外交・技術・情報)を組み合わせた総合的安全保障が特徴です。
📜
憲法基本原理の堅持
国民主権・基本的人権・平和主義を絶対的に維持。時代に応じた内容検討は国民的合意のもとで。
🛡️
サイバー防衛の抜本強化
積極的サイバー防衛・官民連携・人材育成で「見えない脅威」から国家を守る。
🤖
AI外交戦略
AI立国で国際規範づくりをリード。技術的優位性を外交カードとして活用。
⚔️
専守防衛・非核三原則
基本方針を堅持しながら、安全保障環境に応じた防衛力の質的強化を推進。
🌐
同盟国との連携強化
日米同盟を基軸に、同志国との信頼関係・情報共有体制を強化。
憲法に対するスタンス——「守る」と「変える」の両立
チームみらいの憲法に対するアプローチは、左右どちらの党にも属さない独自の立場を取っています。それは一言で言えば「基本原理は絶対堅持、内容は国民的議論で決める」というものです。
守り続けるもの(絶対堅持)
国民主権——政治の主役は国民であること
基本的人権の尊重——すべての人の尊厳と自由を守ること
平和主義——戦争を放棄し、平和を求め続けること
これらは「時代が変わっても」変えない絶対原則
時代に合わせて検討するもの
デジタル化・AI時代に対応した条文の整備
プライバシー権・環境権など新しい権利の明文化
安全保障環境の変化に対応した自衛隊の位置づけ
「幅広い国民的合意形成のもとに積極的かつ透明な検討」
この立場は、単純な「改憲派」でも「護憲派」でもありません。憲法の価値観は守り、その実装を時代に合わせてアップデートする——まるでオープンソースのソフトウェアを更新するような発想です。GitHub上でマニフェストを公開するチームみらいらしい、「バージョン管理型民主主義」のアプローチと言えます。
9条問題——チームみらいは「避けない」
日本政治で最も敏感なテーマ、憲法9条問題。「戦争放棄・戦力不保持・交戦権の否認」を定めた9条をめぐる議論は、戦後80年間、日本政治を二分してきました。チームみらいはこの問題から逃げません。
チームみらいの9条に対する姿勢
マニフェストは「平和主義」を絶対堅持の基本原理として明示している。同時に「時代の変化に合わせて改正も視野に入れた積極的・透明な検討を行う」としており、9条について特定の方向性(改正か維持か)を固定することなく、「データと事実に基づいた国民的議論」を通じて決定するという立場。感情的なイデオロギー対立ではなく、実際の安全保障環境と政策効果の検証から判断する。
この立場は曖昧に見えるかもしれませんが、実は最も誠実な答えです。「改憲か護憲か」をあらかじめ決めてしまうことは、現実の安全保障環境を無視したイデオロギー的硬直性を意味します。チームみらいは「実態と証拠を見てから判断する」という、テクノロジー政党らしいアジャイルな姿勢を取っています。
北東アジア安全保障環境の現実——データで見る脅威
政策を語る前に、現実を直視する必要があります。日本を取り巻く安全保障環境は、ここ数年で劇的に変化しています。
2022年2月の全面侵攻は「戦争は過去のもの」という幻想を打ち砕いた。核保有国が隣国に武力行使する現実が、日本の安全保障観を根本から揺さぶった。
侵攻開始から4年以上継続(2026年5月時点)
台湾海峡の緊張、尖閣諸島周辺での活動活発化、海洋進出。中国の国防費は2024年に約33兆円で日本の3.5倍。過去30年で30倍以上に増加。
中国国防費:約1.7兆元(2025年)
核弾頭保有数は推定50〜100発。ICBM(大陸間弾道ミサイル)の開発を続け、日本全土が射程内。2024年にはロシアとの軍事協力も強化。
ミサイル発射:2022年以降年間10〜30回以上
国家関与が疑われる日本へのサイバー攻撃が急増。重要インフラ(電力・金融・医療)を標的にした攻撃は年間数十万件超。AI活用で攻撃が高度化・自動化。
重要インフラへの攻撃:年間数十万件超
増大するサイバー脅威——データで見る現実
特にサイバー攻撃は、目に見えない脅威として急速に拡大しています。
日本の重要インフラへのサイバー攻撃検知件数(推移・概念値)
(概念値。実際の統計は内閣サイバーセキュリティセンター等を参照)
この現実の前に、「サイバー防衛は重要ではない」とは誰も言えません。チームみらいがサイバー防衛を安全保障の中核に据える理由が、このデータから明確に分かります。
サイバー防衛政策の4本柱——チームみらいの具体策
チームみらいのサイバー防衛政策は、抽象的なスローガンではなく、具体的な4つの施策として明示されています。
01
積極的サイバー防衛
攻撃を受けてから対処するのではなく、「未然の対処を含む積極的な防衛」を展開。脅威情報の先行収集・分析で攻撃を事前に無力化。
02
同盟国との情報共有
脅威・脆弱性情報を日米・NATO等の同盟国・同志国とリアルタイムで共有。「サイバー外交」として信頼関係を強化。
03
官民連携体制の強化
政府の分析能力高度化と、民間企業(重要インフラ事業者等)との協議会・情報共有体制を実効的に構築。「官だけでは守れない」という現実に対応。
04
人材育成・確保
防衛省・自衛隊のサイバー人材育成、民間のセキュリティ人材拡大。報酬・キャリアパス改善で「優秀なエンジニアが安全保障に携わる」環境を整備。
日本のサイバー防衛の現状課題
2023年の防衛省・自衛隊へのサイバー攻撃では、機密情報へのアクセスが試みられた可能性が指摘された。米国CISAは日本のサイバー防衛能力の不足を懸念し、情報共有の制限に踏み切った経緯もある。人材不足・予算不足・法的整備の遅れが三重苦として立ちはだかっており、チームみらいが掲げる抜本的改革の必要性は急務。
AI外交戦略——「ルールを作る側」に日本が立つ
チームみらいの安全保障政策で最もユニークなのが、「AI立国」を外交カードとして活用する戦略です。これは「AIを発展させれば経済が良くなる」という次元を超えた、国家戦略レベルの発想です。
📏
国際規範形成のリード
AIの国際的なルールづくり——何が許されて何が禁止されるか——を誰が決めるかは、21世紀の国際秩序の形成に直結する。チームみらいは日本がそのルールメイカーになることを戦略目標に掲げる。現在EU・米国・中国が規範競争を展開しており、日本は出遅れている。
🏭
AI産業競争力の確立
AI研究開発環境の整備・産業成長により、諸外国が日本に学びたいと思うレベルの実績を作る。「日本のAIを使いたい」という国が増えれば、それが外交的影響力になる。半導体・ロボット・自動化技術での強みを活かす。
🔒
AIセキュリティ・情報戦対策
AIを使ったフェイク動画・情報操作・世論工作が現代の情報戦の主戦場。チームみらいはAI活用のサイバー防衛と、AI生成コンテンツの真偽確認技術(ウォーターマーク等)の普及を推進。
🌏
グローバルサウスへの貢献
発展途上国・グローバルサウスへのAI技術支援を通じて影響力を拡大。中国の「デジタルシルクロード」に対する民主主義的な代替案として、日本がAI支援外交を展開できる。
「AI外交」は非現実的に聞こえるかもしれません。しかし、台湾の半導体(TSMC)が西側諸国の外交の切り札になっている事実を考えれば、技術が外交力になる時代はすでに到来しています。チームみらいはこの文脈でAI立国を安全保障政策として位置付けています。
防衛費と専守防衛——チームみらいの明確な立場
防衛費についての各国比較を見てみましょう。
日本は岸田政権下で防衛費をGDP比2%に引き上げる方針を決定(2027年度目標)。これに対してチームみらいは、「安全保障環境の変化に応じた適切な変動」という立場を取ります。つまり単純に「増やせばいい・減らせばいい」ではなく、何を、どのように、いくら使うかの費用対効果を重視するアプローチです。
特にチームみらいが強調するのは、「専守防衛の原則・非核三原則の堅持」という絶対原則です。日本が攻撃を仕掛ける国になることは絶対に認めない。同時に、増大する現実の脅威に対して防衛力の質的強化は必要——この両者を両立させる道を探ります。
各政党の安全保障スタンス完全比較
チームみらいの安全保障政策を他党との比較で整理します。
| テーマ |
チームみらい |
自民党 |
立憲民主党 |
日本維新 |
共産党 |
| 憲法基本原理 |
絶対堅持 |
概ね維持 |
絶対堅持 |
概ね維持 |
絶対堅持 |
| 憲法改正 |
国民合意のもと検討 |
積極的に推進 |
慎重・反対 |
積極的に推進 |
反対 |
| 9条 |
平和主義堅持・議論開放 |
自衛隊明記改憲 |
護憲 |
改正賛成 |
護憲・自衛隊廃止 |
| 専守防衛 |
堅持 |
反撃能力保有 |
堅持 |
やや緩和 |
堅持 |
| サイバー防衛 |
最重要政策・官民連携 |
推進 |
限定的言及 |
推進 |
言及なし |
| AI安全保障 |
AI外交・規範形成主導 |
AI推進 |
限定的 |
AI活用 |
規制重視 |
| 日米同盟 |
基軸として維持 |
強化推進 |
維持 |
強化推進 |
廃棄主張 |
世界から学ぶ——先進国のサイバー・AI安全保障
チームみらいが目指すサイバー防衛・AI外交の姿は、世界の先進国の取り組みに学べます。
🇪🇪
エストニア
世界最先端のデジタル政府とサイバー防衛。2007年のロシアによるサイバー攻撃を受け、NATO初の「サイバー防衛センター」をタリンに設立。「データ大使館」構想で国家データの海外分散保管。
🇹🇼
台湾
中国の情報戦に対抗する「認知戦対応」の先進国。フェイクニュース対応・ファクトチェック体制が充実。TSMCの半導体技術が「シリコンの盾」として外交的抑止力に。
🇮🇱
イスラエル
サイバーセキュリティ産業の世界的拠点。軍(IDF)出身のエンジニアが起業してサイバー企業を設立する「エコシステム」が確立。軍民の人材流動で防衛と産業が相互強化。
🇺🇸
米国
NSA・CISA・Cyber CommandによるサイバーAI安保の三層構造。民間テック企業との官民連携(CIA In-Q-Tel等)でAI・量子計算機分野の軍民共用技術を開発。
🇬🇧
英国
NCSC(国家サイバーセキュリティセンター)が民間・政府の中間に立ちサイバー脅威情報を一元管理・共有。AI安全研究所(DSIT)を設立し国際AI規範形成をリード。
🇫🇮
フィンランド
NATO加盟後も「総合防衛」構想を維持。市民・民間企業・自治体・軍が一体となった「全社会的サイバーレジリエンス」モデル。予備役制度でサイバー人材を確保。
これらの先進国に共通するのは、「サイバー防衛は政府だけでできない」という認識と、「技術力が外交力になる」という戦略的思考です。チームみらいが官民連携とAI立国を安全保障の柱に据えるのは、まさにこの国際的潮流と軌を一にしています。
テクノロジーによる「広義の安全保障」
チームみらいの安全保障観は、軍事・サイバーだけにとどまりません。エネルギー・通信・食料・宇宙など、社会インフラ全体を安全保障の観点から捉えています。
| 分野 |
現状の脆弱性 |
チームみらいの対策 |
| エネルギー |
化石燃料の輸入依存(石油の95%以上を輸入) |
再生可能エネルギー70%、メタンハイドレート実用化でエネルギー自給率向上 |
| 通信 |
大規模災害時の通信途絶リスク |
低軌道衛星コンステレーション活用。災害後30分以内の通信復旧を目標 |
| 食料 |
食料自給率38%(カロリーベース) |
スマート農業・AI農業技術で生産性向上・自給率改善 |
| 宇宙 |
宇宙インフラへの依存(GPS・観測衛星)と脆弱性 |
宇宙安全保障政策の強化、戦略技術(量子・レーザー)への重点投資 |
日本の安全保障政策の変遷とチームみらいの位置づけ
1947年
日本国憲法施行——平和主義の出発点
9条を含む平和主義を根幹とした憲法が施行。日本の安全保障の原点となる。
1951年
日米安全保障条約締結
冷戦下で米国の核抑止と安全保障の傘に依存する体制が確立。現在も日本の安全保障の基軸。
2015年
安保法制——集団的自衛権の限定的行使容認
安倍政権が憲法解釈の変更で集団的自衛権の限定行使を容認。大きな論争を呼ぶ。
2022年
安全保障3文書改定——反撃能力保有、防衛費2%へ
「反撃能力(敵基地攻撃能力)」の保有と防衛費のGDP比2%目標を閣議決定。戦後安保政策の大転換。
2023〜2025年
サイバー防衛法制の整備——しかし遅れも指摘
能動的サイバー防衛(ACD)法制が議論・整備される。しかし人材不足・省庁縦割りの問題は未解決。
2026年〜
チームみらいが描く次の一手
サイバー防衛の官民一体化、AI外交戦略の本格始動、専守防衛原則を堅持しつつ質的強化を推進。
よくある質問(FAQ)
チームみらいは改憲派ですか?護憲派ですか?
どちらでもあり、どちらでもありません。国民主権・基本的人権・平和主義という基本原理は「絶対堅持」。その上で、デジタル化など時代の変化に合わせた内容は「幅広い国民的合意のもとで積極的・透明に検討する」という立場です。単純な改憲vs護憲の二項対立を超えた「実用主義的憲法論」です。
チームみらいは自衛隊をどう位置づけていますか?
マニフェストでは「専守防衛の原則や非核三原則などの基本方針を堅持しつつ、防衛力の質的強化」を明記。自衛隊の存在を否定せず、サイバー・AI・宇宙分野での能力強化を重視。「何を守るか」を明確にしたうえで必要な防衛力を整えるという考え方です。
サイバー防衛に力を入れると言いますが、具体的に何が変わりますか?
①積極的サイバー防衛(攻撃前の対処)の法的整備、②民間企業・重要インフラとの情報共有体制の強化(現在は縦割りで機能不全)、③防衛省・自衛隊のサイバー人材大幅増員、④民間セキュリティ人材のキャリア支援——これらにより、現在年間数十万件超の攻撃への対応能力を根本から強化します。
「AI外交」は現実的ですか?
すでに現実になっています。台湾の半導体(TSMC)が地政学の要因として機能している事実がその証拠。AIの国際規範を誰が作るかは、今まさに争われています。EU・米国・中国が競う中、日本が独自のポジションを作れれば、それは実質的な外交カードになります。チームみらいはその実現可能性を、具体的な産業政策とセットで提示しています。
防衛費はどうすべきだと考えていますか?
「防衛力は安全保障環境の変化に応じて変動させる」という立場です。単純に「GDP比2%に上げろ」「下げろ」ではなく、何に使うか(質)の議論を重視します。従来型の軍備に比べてサイバー・AIへの投資は相対的にコスト効率が高い可能性があり、総額だけでなく使途の最適化を重視するアプローチです。
北朝鮮や中国の脅威にはどう対応しますか?
日米同盟を基軸とした抑止力の維持が基本。それに加えてサイバー防衛・AI情報戦への対応、経済安全保障(重要技術の流出防止)、エネルギー安全保障(輸入依存からの脱却)という多層的なアプローチを取ります。「軍事だけで安全保障はできない」という認識のもと、総合的な国力強化を目指します。
まとめ——「次の戦場」を見据えた安全保障
チームみらいの憲法・安全保障政策の特徴を一言で表すなら、「次の戦場を見据えた、現実主義的な平和主義」です。
国民主権・基本的人権・平和主義という憲法の根幹は絶対に守る。その上で、現代の脅威——サイバー攻撃・AI情報戦・宇宙空間の競争——に正面から向き合い、技術で国を守る。AI立国で日本が国際規範のルールメイカーになることで、軍事力に依存しない外交的影響力を築く。
「改憲か護憲か」「軍拡か縮小か」という20世紀型の二項対立では、21世紀の安全保障は守れません。あなたの安全・あなたの子どもたちの未来を守る安全保障は、データと技術に基づいた、現実的で建設的なアプローチによってのみ実現できる——チームみらいはそう主張しています。