「AIで日本を強くする」——そのためには、膨大な電力が不可欠です。2030年までに、世界全体では日本一国分に相当する追加の電力が必要になると見込まれています。日本がAIを使いこなし、テクノロジーを成長の原動力にするなら、安定的かつ大量の電力を確保することが大前提。ところが、私たちの国は化石燃料に乏しく、平野部も限られており、再生可能エネルギーの大規模導入にも地理的な制約があります。エネルギー政策は「原発を動かすか止めるか」の対立で語られがちですが、チームみらいは、「今の安定供給」と「2050年ゼロエミッション」を両立させる現実路線——国内のあらゆるエネルギー資源を最大限に活かしつつ、大容量電源の確保と脱炭素を両立させる技術開発・設備投資の加速——を打ち出しています。
- なぜ日本はG7で最もエネルギーに頼りっぱなしなのか(自給率15.3%)
- 再エネ賦課金2.7〜3.1兆円、LNG輸入6.5兆円——現実の数字と課題
- 2030・2040年を見据えたエネルギーミックスの再設定
- 原発再稼働・水力ポテンシャル・核融合・AIグリッド——具体策
- 他党との比較と、理想と現実をつなぐロードマップ
日本は「電力が足りない国」——エネルギー自給率G7最低の現実
『エネルギー白書2025』によれば、日本のエネルギー自給率は2023年度時点で15.3%。G7各国のなかで最も低い水準です。つまり、私たちの生活と経済を支えるエネルギーのほとんどを、海外に依存している。地政学リスクや為替・価格変動にさらされ続けている——それが日本のエネルギー供給体制の実態です。
2023年の電源構成の実績は、LNG(液化天然ガス)32%、石炭29%、水力9%、その他再エネ約23%、原子力9%でした。政府の第6次エネルギー基本計画が掲げた2030年目標(原子力20〜22%、再エネ25〜27%など)との差は依然として大きい。とくにLNGは、地政学的リスクや他国の需要動向から供給安定性・価格安定性に懸念があり、日本のエネルギー供給体制は脆弱性を抱えたままです。
- エネルギー自給率:15.3%(2023年度)——G7で最低
- 再エネ賦課金:2024年度見込み2.7兆円、2025年度見込み3.1兆円——追加的な再エネ導入は国民負担の増加に直結
- LNG輸入費:2023年で約6.5兆円(輸入総額の約6%)——2024年通年の貿易赤字5.3兆円を上回る規模
- 太陽光:国土面積当たりで既に世界上位(ドイツと同程度)——大幅な追加余地は住宅・建物屋根などに限られる
「再エネを増やせばいい」だけでは、国民負担と供給安定性の両面で限界がある。だからこそ、火力の一時的維持と原子力・水力の役割を現実的に位置づけ、無理のない移行を設計する——チームみらいのエネルギー政策の出発点です。
エネルギーミックスの再設定——2030年・2040年に向けた実行
チームみらいは、大幅なエネルギー需要増(とくにAI時代の電力需要)に対応できるよう、2030年・2040年を見据えたエネルギーミックス目標の再設定と実行を掲げています。理想論で止めず、「今日の安定供給」を守りながら「未来のゼロエミッション」へ道筋をつける——そのための具体的な方針が以下です。
- 水力:多目的ダム法を見直し、水力発電のポテンシャルを開放。既存ダムの再開発・揚水増強を推進し、水力比率11%を堅持しつつ変動再エネの調整力を高める
- 原子力:2030年で原子力比率20〜22%の達成を目指し、国主導で再稼働支援策を整備。2030年時点で25基以上の運転を実現できるよう、手続きの迅速化と地域支援を両立させる
- 火力発電:一時的な維持を明確化し、無理な再エネ拡大による国民負担増と供給不足を回避する
注目すべきは、「火力発電の一時的な維持を明確化」している点です。「今すぐ再エネ100%」は耳ざわりがよくても、現実の需要と供給を考えれば、移行期間中は安定した大容量電源が不可欠。石炭・LNGは縮小が前提だが、老朽化による供給力低下が夏季ピーク時の需給逼迫を招いている——だからこそ、急に止めず、段階的に設計する。この「現実を認めたうえで移行を進める」姿勢が、チームみらいのエネルギー政策の骨格です。
原子力——2030年25基以上、そして次世代炉へ
チームみらいは安全審査を満たした既存原発の再稼働を支持しています。2030年に原子力比率20〜22%を達成するためには、25基以上の原発の運転が必要です。再稼働はすでに進んでいるものの、2030年度の目標実現には、手続きの迅速化や地域合意プロセスの改善にまだ余地がある——マニフェストはそう指摘し、国主導の再稼働支援策で手続きの迅速化と地域支援の両立を掲げています。
さらに、既存原発だけでなく次世代原子力技術への投資を明記しています。2050年ゼロエミッション社会に向けて、革新技術の開発と制度基盤の構築を支援する——その一環です。
- SMR(小型モジュール炉):従来の大型原発より安全で建設コストも抑えられ、2030年代後半以降の普及を見据えた技術開発を支援
- 高温ガス炉:水素製造にも活用できる次世代炉。長期的な脱炭素と産業利用の両面で位置づけ
「原発を動かすか止めるか」の二項対立ではなく、安全を前提に役割を明確にし、次世代技術にも投資する——テクノロジー政党ならではの、現実と未来を同時に見るスタンスです。
核融合——究極のクリーンエネルギーへの投資
チームみらいのエネルギー政策のなかで、最も未来を描いているのが、核融合技術の研究開発投資の強化です。核融合は太陽のエネルギー源と同じ原理。実現すれば、ほぼ無限に近いクリーンエネルギーを生み出し、高レベル放射性廃棄物もほとんど出しません。
マニフェストは、核融合に関する技術の国際的な優位性を示すとともに、長期的なエネルギー問題の抜本的解決に備えると明記しています。実用化にはまだ時間がかかりますが、世界各国が投資を加速させるなかで、日本が遅れをとるわけにはいかない。——チームみらいは「未来のエネルギー」として核融合に明確にコミットしています。
AI時代の電力システム——デマンドレスポンスと分散型グリッド
チームみらいならではの政策が、AIを活用した高度な電力システムの構築です。太陽光や風力など変動する再エネが急増する場合、蓄電池など調整力の整備を怠ると系統安定性が低下する懸念があります。だからこそ、デマンドレスポンス(需要側の柔軟な調整)や分散型リソースを活用した柔軟なグリッド運用を推進し、AI時代に適した電力システムを目指す——マニフェストはそううたっています。
変動する再エネを安定的に使いこなすには、需給をリアルタイムで最適化する仕組みが不可欠。AIとデータは、まさにその役割に最適です。「再エネを増やす」だけでなく、「増やした再エネをどう使いこなすか」まで設計する。そこに、テクノロジー政党の本領があります。
水力——眠っているポテンシャルを解放する
水力は、日本にとって貴重な国内の自然エネルギー資源です。しかし現状は、1957年制定の多目的ダム法に基づく保守的な運用が主流で、最新技術を活用した出力増強の余地が残されています。チームみらいは、多目的ダム法の見直しにより水力発電のポテンシャルを開放し、既存ダムの再開発や揚水増強を推進。水力比率11%を堅持しつつ、変動再エネの調整力を高めることを掲げています。
「原発か再エネか」ではなく、水力という既存資産を活かし、再エネの増加を支える——地に足のついた政策設計です。
他党との比較
| 政党 | 原発 | 核融合 | 2050年目標 |
|---|---|---|---|
| チームみらい | 再稼働+次世代炉(SMR・高温ガス炉) | 投資強化・国際優位性を明記 | ゼロエミッション |
| 自民党 | 再稼働推進 | 研究支援 | カーボンニュートラル |
| 立憲民主 | 原発ゼロを目指す | 言及なし | 再エネ100% |
| 維新 | 活用方針 | 言及少ない | カーボンニュートラル |
| れいわ | 即時全廃 | 言及なし | 脱原発・脱化石 |
チームみらいの独自性は、原発の再稼働と次世代炉・核融合への投資をセットで掲げ、かつAI・デマンドレスポンスでグリッドを設計している点にあります。理想だけでも現実だけでもなく、「今日の安定」と「2050年のゼロエミッション」をテクノロジーでつなぐロードマップを提示している政党は、他にあまりありません。
まとめ:安定供給とゼロエミッションを、テクノロジーで両立させる
チームみらいのエネルギー政策は、「今日の安定供給」と「2050年のゼロエミッション」を両方実現するための設計図です。エネルギー自給率G7最低、LNG輸入6.5兆円、再エネ賦課金3兆円規模——そうした現実を直視したうえで、火力の一時的維持を明確にし、原子力の再稼働と次世代炉・核融合への投資を位置づけ、水力のポテンシャルを解放し、AI時代のグリッドを構築する。
「原発か再エネか」の対立に引きずられず、国内に存在するあらゆるエネルギー資源を最大限に活用しつつ、大容量電源の確保とゼロエミッション社会の実現を両立させる——その技術開発・設備投資を加速させる。理想論に逃げず、数字と技術で現実を見据えた、テクノロジー政党ならではのエネルギー政策です。
本記事は公式マニフェスト(エネルギー)および『エネルギー白書2025』等の公開資料に基づいて作成しています。最新情報は公式サイトをご確認ください。本サイトは非公式応援サイトです。