電気代が上がり続けています。2023年の日本の電力料金は、OECD諸国の中でも高水準になりつつあります。その一方で、地球温暖化への対応として「カーボンニュートラル」を2050年までに達成しなければなりません。安く、安定して、クリーンな電力を——この「エネルギーのトリレンマ」を解決するのが、エネルギー政策の使命です。
チームみらいのエネルギー政策は、「現実から目を背けない現実主義」が特徴です。「原発はすべて廃止」という理想論でも「脱炭素など後回し」という無責任さでもなく、データと科学的根拠に基づいてエネルギーミックスを設計します。
日本のエネルギー問題の現状 / チームみらいの2030年エネルギーミックス目標 / 原子力再稼働の方針と安全性 / 次世代原子力(SMR・高温ガス炉)とは / 核融合技術への投資 / 再生可能エネルギーの拡大戦略 / 電力価格への影響 / 各政党のエネルギー政策比較
日本のエネルギー問題——電気代・自給率・CO2の三重苦
まず、日本のエネルギー問題の現状を把握しましょう。日本は3つの深刻な課題を同時に抱えています。
現在の日本のエネルギーミックス(2023年概算)
出典:資源エネルギー庁データより編集部作成(概算値)。再生可能エネルギーは水力・太陽光・風力等を含む。
火力が約71%を占める現状では、燃料代の高騰が直接電気代に反映されます。また、化石燃料のほぼすべてを輸入に依存しているため、年間の化石燃料輸入コストは約20〜30兆円という膨大な額になります。これは「日本から海外に流出するお金」です。
チームみらいの2030年エネルギーミックス目標
チームみらいは、2030年に向けて現実的かつ野心的なエネルギーミックスの再設計を掲げています。
チームみらいマニフェストの方針に基づく概算。水素・アンモニア混焼等を含む。
このミックスのポイントは3つです:
- 原子力を20〜22%に引き上げ(現在約8%から):安全審査を通過した原発の順次再稼働。2030年までに25基以上の運転が目標。
- 再生可能エネルギーを36〜38%に拡大:太陽光・洋上風力・水力発電を最大限活用。
- 火力発電の段階的縮小:即時廃止ではなく現実的なペースで削減。安定供給を確保しながら移行する。
原子力政策——「推進」ではなく「現実的な活用」
チームみらいの原子力政策を「原発推進」と言い切るのは正確ではありません。正確には「安全審査を前提とした現実的な活用」です。
現在の日本の原発稼働状況
(再稼働待ち)
約9基
(停止中)
複数
約24基
※2025年時点の概算。原子力規制委員会の審査状況は変動します。
安全審査を通過した原発が再稼働を待っている状態が続いています。チームみらいは、「安全審査を前提とした上で、稼働できる原発を速やかに稼働させる」という方針を取ります。
チームみらいの原子力政策の3原則
☢️ チームみらいの原子力3原則
- 安全最優先:原子力規制委員会の審査を経た原発のみ再稼働。安全審査のプロセスを強化・加速する。
- 現実的な活用:即時廃止は電力不足・電気代上昇・CO2増加を招く。安全を確保した上で脱炭素に貢献する形で活用する。
- 次世代技術への移行:現在の原発(軽水炉)に依存し続けるのではなく、SMR(小型モジュール炉)・高温ガス炉などの次世代技術への移行を推進する。
原子力とCO2排出量の関係
出典:電力中央研究所「発電技術のライフサイクル評価」等。LCAベースの概算値。
このグラフが示すように、原子力は再生可能エネルギーと同水準の低CO2発電源です。「原発は危険だから廃止」という判断は安全面での議論ですが、「CO2削減のために原発は不要」というのは事実に反します。
次世代原子力——SMRと高温ガス炉で「原子力2.0」へ
チームみらいが特に注目するのが、次世代の原子力技術です。「現在の原発を維持する」のではなく、「より安全・高効率・低コストの次世代原子力への移行」を促進します。
SMR(小型モジュール炉)
SMR(Small Modular Reactor)は、従来の大型原発(100万kW超)に対して、3〜30万kW規模の小型原子炉です。
- 工場生産が可能:標準化されたモジュールを工場で製造し現地で組み立てるため、建設コスト・期間を大幅削減
- 安全性の向上:受動的安全設計(電源なしでも冷却可能な設計)で重大事故リスクを低減
- 立地の柔軟性:小型なため従来の大型原発が立地できない場所にも設置可能
- 段階的な導入が可能:電力需要に合わせて台数を増やすことができる
- 廃炉コスト削減:小型化により廃炉費用も削減できる見込み
高温ガス炉
高温ガス炉は、冷却材にヘリウムガスを使用する原子炉です。日本の原子力研究開発機構(JAEA)が「高温工学試験研究炉(HTTR)」で世界最先端の研究を進めています。
- 炉心が過熱しても固有の安全性で暴走しない設計(物理的に安全)
- 最高950℃の高温熱を供給でき、水素製造など工業利用に活用できる
- 日本が国際的に技術リードしている分野——輸出戦略にもなりうる
核融合——人類の夢のエネルギーへの投資
チームみらいのエネルギー政策で最も先進的な部分が、核融合技術への投資です。
核融合とは何か
核融合は、太陽の内部で起きている反応と同じ原理でエネルギーを生み出す技術です。
- 原料が豊富:海水から取り出せる重水素が原料。理論上、地球上の水が尽きない限り無限に供給可能
- CO2ゼロ:燃焼反応ではないため温室効果ガスをほぼ排出しない
- 安全性が高い:核分裂(原子力発電)と異なり、反応が止まれば自然と停止する
- 放射性廃棄物が少ない:核分裂炉と比べて放射性廃棄物の量・危険性が格段に少ない
- 出力が膨大:少量の燃料から石炭火力の数十万倍のエネルギーが得られる
核融合の現状と展望
2022年、アメリカのNIF(国立点火施設)が核融合反応で消費エネルギー以上のエネルギー生産を達成し、世界に衝撃を与えました。2025〜2030年代には複数の民間企業が核融合発電所の実証を目指しています。
🔬 チームみらいの核融合投資政策
- 核融合研究開発予算の大幅増額:国内の核融合研究機関への研究費を拡充
- 民間核融合スタートアップの支援:日本発の核融合スタートアップへの投資・規制整備
- 国際核融合実験炉ITER参加の継続・強化:フランスで建設中のITERへの貢献を継続
- 核融合研究者・エンジニアの育成:大学・研究機関での専門人材育成プログラムを強化
- 核融合用サプライチェーンの国内整備:超伝導磁石など核融合に必要な部品・材料の国産化支援
再生可能エネルギー——日本のポテンシャルを最大限に
チームみらいは原子力とともに、再生可能エネルギーの大幅拡大も推進します。日本の地理的条件は再エネに不利ではありません——むしろ活かせていないポテンシャルが大量にあります。
日本の再エネポテンシャル
- 洋上風力:日本は世界有数の洋上風力ポテンシャルを持ちながら、導入量はEU各国に大きく遅れ。2030年に1,000万kW・2040年に4,500万kW目標。
- 水力発電:多目的ダムに「発電機能を付加」することで、新たな建設なしに水力発電を大幅増量できる。チームみらいはこの「多目的ダム法の見直し」を推進。
- 地熱発電:日本は世界第3位の地熱資源量を持ちながら、国立公園内での開発規制で利用が進んでいない。
- 太陽光(建物一体型):住宅・ビルへの太陽光パネル設置義務化・補助で都市部でも大幅拡大が可能。
水力発電の秘めたポテンシャル
チームみらいが特に注目するのが「多目的ダムの発電機能強化」です。現在、多くのダムが治水・農業用水目的で造られており、発電機能がないか低い状態です。これらに発電設備を追加・強化するだけで、新たなダムを作らずに水力発電を大幅に増やせます。
電気代への影響——エネルギー政策が家計に与える影響
エネルギー政策は抽象的な環境問題ではなく、家庭の電気代・企業のコストに直接影響します。
出典:資源エネルギー庁「発電コスト検証ワーキンググループ」等より編集部作成(概算値)。
原子力・水力・風力・太陽光はLNG火力より大幅に安いことがわかります。原子力と再エネの拡大は、電気代の安定・低下につながるのです。「脱炭素のコストは高い」という認識は、火力依存を続けることのコストを無視した誤解です。
各政党のエネルギー政策比較
| 政策 | 自民党 | 立憲民主 | 維新 | チームみらい |
|---|---|---|---|---|
| 原発再稼働 | 積極推進 | 原則廃止方向 | 安全前提で推進 | 安全審査前提で現実的活用 |
| 2030年目標 | 原子力20〜22% | 再エネ優先・原発縮小 | 現実的ミックス | 原子力20〜22%+再エネ拡大 |
| 核融合投資 | 支援方針 | 研究継続 | 積極的 | 大幅増額・民間支援 |
| SMR・次世代炉 | 開発支援 | 慎重 | 支援 | 開発・導入を積極支援 |
| 水力(ダム活用) | 部分的 | 推進 | 推進 | 多目的ダム法見直しで大幅増量 |
まとめ——「理想と現実のバランス」がチームみらいのエネルギー観
チームみらいのエネルギー政策は、「CO2ゼロを目指しながら、電力の安定供給と価格競争力を維持する」という現実的な三目標を同時に達成しようとする設計です。
- 2030年エネルギーミックス:原子力20〜22%、再エネ36〜38%、火力段階的縮小
- 原子力の現実的活用:安全審査前提で稼働できる原発を速やかに再稼働(25基以上)
- 次世代原子力への移行:SMR・高温ガス炉の開発・導入支援
- 核融合への大胆な投資:人類の夢のエネルギーを日本が先導する
- 再エネの最大活用:洋上風力・水力(ダム活用)・地熱・太陽光を拡大
エネルギー問題に「魔法の解決策」はありません。しかし、データと科学に基づいて選択肢を評価し、現実的に組み合わせることで、「安く・安定して・クリーンな日本のエネルギー」は実現できます。チームみらいはそのリアリズムと大胆さを兼ね備えた政策を提示しています。
本記事はチームみらいの公式政策ページおよび公開資料に基づいて作成した非公式の解説記事です。データは各出典時点の概算値です。最新・正確な情報は公式サイトをご確認ください。本サイトはチームみらいの非公式応援サイトです。