足りない30兆円は、
誰が払うのか。
2026年度の国の予算は約122兆円。しかし税金で集められるのは約84兆円です。その他の収入を足しても、なお約30兆円が足りません。
その穴を埋めるのが「特例公債」——いわゆる赤字国債です。この法律は、それを2026年度から2030年度までの5年間発行できるようにするもの。
そして——国の借金は、すでに合計約1,145兆円に達しています。返すのは、将来の人たちです。
2026年度の予算
税金で集まる額
借金で埋める額
国の借金の総額
2026年2月20日、「財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案」が成立しました。長い名前ですが、通称は「赤字国債法」あるいは「公債発行特例法」です。
チームみらいはこの法案に「賛成」の立場を表明しました。
この法案は、日本の財政の姿を最も残酷に映し出す法律です。「収入の範囲で暮らせていない」という事実を、毎年、法律の形で確認する作業だからです。それでもなお賛成する理由は何か。順を追って見ていきます。
特例公債(赤字国債)とは何か/なぜ「特例」なのか/122兆円と84兆円の差/約1,145兆円という国の借金/2012年に何が起きたのか/5年分まとめて決めることの是非/保険料負担の軽減という書き込み/租税特別措置と補助金の見直し/意見が分かれる2つの論点/チームみらいが賛成した理由/よくある質問
まず結論:この法案は何を決めたのか
審議のステータス
出典:みらい議会(gikai.team-mir.ai)/財務省 法案の概要/衆議院 議案審議経過情報
122兆円と84兆円——予算に空いた穴
みらい議会の記述:「2026年度の予算は約122兆円ですが、税金で集められるのは約84兆円です。その他の収入を含めてもなお足りない約30兆円を金銭の借りいれで補う必要があります。」
年間の支出が122万円。給料は84万円。副収入を足しても足りず、毎年30万円を借りて暮らしている——そういう状態です。
しかも、この借金は今年始まったものではありません。何十年も続けてきた結果、借入残高は約1,145万円(=1,145兆円)に達しています。年収の13倍を超える借金です。
個人であれば、とっくに破綻しています。国が破綻していないのは、通貨を発行する主体であり、国債の大半が国内で保有されているという特殊な事情があるからです。
しかし「破綻していない」ことと「持続可能である」ことは、別の話です。
なぜ「特例」なのか——財政法4条という原則
ここが、この法律を理解する最大のポイントです。
📜 原則:国は借金をしてはいけない
財政法は、国の歳出は原則として税金などの収入で賄うべきと定めています。例外として認められているのは、「建設国債」——道路、橋、港湾など、将来にわたって使える資産を作る場合だけです。
理由は明快です。橋を作れば、その橋は将来世代も使います。だから将来世代が費用の一部を負担するのは公平だ、という論理です。
⚠️ 特例:それでも足りないとき
しかし現実には、日々の運営費(社会保障・人件費・地方交付税など)が税収を上回っています。この分を賄う国債は、資産を残しません。だから財政法の原則では発行できない。
そこで「特例法」を作って、その年だけ例外的に認めるという形を取ります。これが特例公債=赤字国債です。
「特例」という言葉が、原則の重みを示しています。
本来なら、特例は例外的な事態への一時的な対応であるべきものです。しかし日本では、赤字国債の発行が常態化して久しいのが実情です。
みらい議会も記しています。「同じ法律はこれまでも5年ごとに更新されてきました。」
5年ごとに更新される「特例」——それはもはや、特例ではなく制度です。
この事実こそが、日本の財政の本質的な問題です。そして、この法案に賛成することは、その現実を追認することでもあります。だからこそ、賛成の理由が問われます。
この法律の3つのポイント
あと5年間、金銭を借りいれることを可能にする
この法律で2026年度から2030年度まで、国会が認めた範囲で金銭を借りいれることができるようになります。
金銭の借りいれを減らす努力も法律に書き込む
ただ金銭の借りいれをするだけでなく、お金の使い方と集め方の両面から改革を進めると定めています。働く世代が払う保険料を減らす取り組みも含まれています。
税金の特別ルールや補助金のあり方も見直す
特定の分野に設けられている税の特別ルールについて、必要な見直しを検討します。あわせて、補助金が正しく使われているかも確認し、必要に応じて見直します。
対象となる5年間
年度
年度
年度
年度
年度
※期間中も、実際にいくら発行するかは毎年の予算で国会が決めます。この法律は「発行できる根拠」を与えるものです。
POINT 2の重み:「保険料を減らす」という書き込み
この法律は「借金を認める法律」です。しかしそこに、「借金を減らす努力」が書き込まれています。
みらい議会の記述はこうです。「ただ金銭の借りいれをするだけでなく、お金の使い方と集め方の両面から改革を進めると定めています。働く世代が払う保険料を減らす取り組みも含まれています。」
注目すべきは「働く世代が払う保険料を減らす」という一文です。
これは税金の話ではありません。社会保険料——医療保険、年金、介護保険の掛け金の話です。
日本の現役世代の負担は、所得税・住民税よりも社会保険料のほうが重いケースが少なくありません。給与明細を見れば一目瞭然です。しかも社会保険料には所得税のような累進性が弱く、低〜中所得層ほど負担率が高くなるという逆進性を持ちます。
「保険料を減らす」を財政の法律に書き込むことは、「現役世代の手取りを増やす」という方向を明文化したことを意味します。これはチームみらいが一貫して主張してきた論点と重なります。
POINT 3の重み:租税特別措置と補助金にメスを入れる
特定の産業や行動を後押しするために、本来より税を軽くする仕組みです。研究開発への減税、特定設備の投資減税、住宅ローン控除など、数多く存在します。
【なぜ見直しが必要なのか】
① 金額が見えにくい——補助金なら「いくら配った」が予算に載りますが、減税は「取らなかった税」なので、支出として認識されにくい。実質的には補助金と同じなのに、チェックが甘くなります。
② いったん作ると消えにくい——受益者がいる制度は、廃止に強い抵抗が生じます。当初の政策目的を達成した後も残り続けることがあります。
③ 効果検証が困難——「この減税がなければ、その投資は行われなかったのか」を証明するのは難しく、検証されないまま継続されがちです。
【補助金についても同じ】
「補助金が正しく使われているかも確認し、必要に応じて見直します。」——この一文は、歳出改革の入口です。
財政再建の議論は、しばしば「増税か、歳出削減か」という二択で語られます。しかし、その前にやるべきことがあります。
「すでに使っているお金が、効果を上げているかを確かめること」です。
租税特別措置と補助金は、まさにその対象です。効果が検証されないまま何十年も続く支援が、どれだけあるか。それを洗い出すだけで、新たな増税をせずとも財源が生まれる可能性があります。
「集め方」と「使い方」の両面から改革を進める——この法律の条文に書かれたこの方針を、実際に実行させられるかどうか。それが、この5年間の課題です。
2012年、実際に何が起きたのか
この法案が「必要」とされる理由の3つ目に、みらい議会は具体的な事件を挙げています。
⚠️ ケーススタディ:2012年の予算執行抑制
みらい議会の記述:「2012年には同じ法律の成立が遅れたことで、国の予算が予定どおり使えなくなりました。病院や学校、道路の整備など、身近なサービスが止まるおそれがあります。」
予算は成立した
しかし特例公債法が政局のなかで成立しなかった
お金が使えない
予算はあるのに、財源の根拠がない状態に
執行が抑制された
支出のペースを落とす措置が実際に取られた
現場に影響
地方への交付金の支払いが遅れるなどの事態が生じた
予算が成立しても、財源の裏づけ法がなければ、お金は動きません。
そして、動かなくなったときに最初に影響を受けるのは、国の中枢ではなく、現場です。地方自治体への交付金、医療機関への支払い、公共工事の発注——。
みらい議会が影響を受ける人として「地方自治体:この法律が成立しないと、国から届くお金が遅れるおそれがあります」と明記しているのは、この経験に基づいています。
特例公債法を「政局の道具」にしてはならない——これが2012年の教訓であり、5年分まとめて決める方式が採られるようになった直接の理由です。
意見が分かれる2つの論点
| 論点 | 内容 |
|---|---|
| ① 金銭の借りいれを続けて将来世代の負担は大丈夫か | 必要な予算を確保でき、医療や年金、教育などのサービスを続けられる効果があります。しかし、国の金銭の借りいれは合計で約1,145兆円に達しています。返すのは将来の人たちです。 |
| ② 5年分まとめて決めると国会のチェックが甘くならないか | 5年分まとめて決めることで、予算が使えなくなる事態を防げます。2012年には法律が成立せず、予算が使えない問題が起きました。しかし、毎年国会で議論しないと、金銭の借りいれを減らそうという緊張感が薄れるおそれがあります。 |
出典:みらい議会「意見が分かれるところ」の記述を原文どおり整理。
論点①:1,145兆円を、誰が返すのか
この一文は、応援サイトとして書きにくい事実です。しかし、避けて通ることはできません。
国債は、いつか返済されるか、借り換えられ続けます。その原資は将来の税収です。つまり——今、生まれたばかりの子どもたちが、いずれ払う税金です。
彼らには、この決定に参加する機会がありません。投票権を持たない世代に負担を先送りする——これが、財政赤字の本質的な問題です。
【それでも借りる理由】
借金をやめれば、約30兆円分の支出を今すぐ削ることになります。社会保障、教育、地方交付税、防衛、公共事業——どこかを大幅に切るしかありません。
それは「将来世代への負担を減らすために、現在の医療・年金・教育を止める」ということです。そして、教育や子育てへの投資を削れば、将来世代の稼ぐ力そのものを削ぐことになります。
だから答えは「借りるか、借りないか」ではありません。「何に借りるか」です。
同じ30兆円の借金でも、使い道によって将来世代への意味は正反対になります。
【将来世代がプラスになる使い方】
・教育——将来の稼ぐ力を高める。投資として回収される
・子育て支援——人口減少を緩和すれば、将来の担い手が増える
・研究開発——技術力は将来の成長の源泉
・行政のデジタル化——将来の行政コストそのものを下げる
【将来世代がマイナスになる使い方】
・効果の検証されていない補助金——お金が消えるだけ
・維持費だけがかかるインフラ——将来世代が負担を引き継ぐ
・既得権の温存——構造改革を先送りするための費用
この法律にPOINT 3(租税特別措置と補助金の見直し)が書き込まれていることの意味が、ここにあります。借りることそのものより、借りたお金の質を問う——それが実効的な財政規律です。
論点②:5年まとめは、チェックを甘くしないか
⚠️ 毎年決める場合
メリット:→ 毎年、国会で財政赤字が議論される
→ 借金を減らす緊張感が保たれる
→ 予算と一体で審議できる
デメリット:
→ 政局の人質になる
→ 2012年のように、成立が遅れれば予算が使えなくなる
→ 現場(地方・医療・公共事業)が直撃される
✅ 5年分まとめて決める場合
メリット:→ 予算が使えなくなる事態を防げる
→ 政局と財政運営を切り離せる
→ 中期的な財政計画が立てやすい
デメリット:
→ 「毎年国会で議論しないと、金銭の借りいれを減らそうという緊張感が薄れるおそれがあります」
→ 財政赤字が「当たり前」になる
5年分まとめて発行の根拠を与えても、実際にいくら発行するかは、毎年の予算で国会が決めます。つまり、額のチェックは毎年行われる建前です。
問題は、予算審議で財政赤字そのものが正面から議論されるかです。予算委員会の質疑が政局や個別の不祥事に費やされ、「なぜ30兆円足りないのか」「どの支出を削るのか」が議論されない——これが現実のリスクです。
だから必要なのは、法律の期間を短くすることではなく、財政の状況を誰もが検証できる形で公開することです。どの支出が、どんな成果を上げているのか。データが開かれれば、5年分まとめて決めても緊張感は保てます。
チームみらいはなぜ「賛成」を選んだのか
チームみらいは、この公債発行特例法改正案に賛成の立場を表明しました。この法律がなければ、2026年度から国の予算が執行できなくなります。医療、年金、教育、地方交付税——すべてが止まります。財政赤字の常態化は重大な問題ですが、その解決は「予算を止めること」ではなく「支出の質を高めること」で行うべきです。租税特別措置と補助金の見直し、そして保険料負担の軽減が条文に書き込まれた点は、方向性として評価できます。
① 止まって困るのは現場
2012年の前例が示すとおり、成立が遅れれば地方交付金・医療・公共事業が直撃されます。政局の道具にしてはならない法律です。
② 「使い方の改革」が条文に入った
租税特別措置と補助金の見直しが明記されました。増税でも一律削減でもなく、効果の検証から始めるという順序は正しい。
③ 保険料負担の軽減という方向
「働く世代が払う保険料を減らす取り組み」が含まれています。現役世代の手取りを増やす方向は、同党の主張と一致します。
「賛成」と「財政規律」は矛盾しない
「借金を認める法律に賛成するなら、財政規律を放棄したのか」——そう問われるかもしれません。しかし、そうではありません。
財政規律を、「借金の額を減らすこと」だけで測るのは単純すぎます。本当に問うべきは、「そのお金が、将来の負担に見合う価値を生んでいるか」です。
【チームみらいが目指す方向】
① 支出のデータを開く——何にいくら使い、どんな成果が出たのかを、誰もが検証できる形にする
② 効果のない支出を止める——検証されないまま続く補助金・減税を洗い出す
③ 行政コストそのものを下げる——デジタル化と業務の標準化で、同じサービスをより安く
④ 成長投資は削らない——教育・研究・子育ては、削れば将来の税収そのものが減る
この順序で進めれば、増税にも一律削減にも頼らずに財政は改善します。そして、そのすべてが「予算が執行できる」ことを前提としています。
だから、この法案に賛成することと、財政規律を求めることは矛盾しません。
賛成したうえで残る宿題
「お金の使い方と集め方の両面から改革を進める」——立派な文言です。しかし、いつまでに、何を、どれだけという具体的な数値目標は、この法律には書かれていません。
同様に、「税の特別ルールについて、必要な見直しを検討します」——「検討します」です。何をどう見直すのかは示されていません。
これらが5年間、単なる作文で終わる可能性は十分にあります。
賛成した以上、追及すべきことは明確です。
・租税特別措置の一覧と、それぞれの減収額・効果の検証結果を公表させる
・補助金の点検結果を、事業単位で公開させる
・保険料軽減の具体策と工程を示させる
次にこの法律が更新される2031年度までに、これらが実行されたかを確かめること。それが、賛成した側の責任です。
この改正で、誰の何が変わるのか
すべての国民
国の金銭の借りいれは将来の税金で返すため、今の若い人にも関わります。約1,145兆円という残高は、いずれ税として回収されるか、借り換えられ続けます。
補助金をもらっている企業や団体
補助金の見直しで、これまでの支援が変わる場合があります。「補助金が正しく使われているかも確認し、必要に応じて見直します」と法律に書き込まれました。
地方自治体
この法律が成立しないと、国から届くお金が遅れるおそれがあります。成立したことで、2026年度からの交付金等が予定どおり執行されます。
働く世代
「働く世代が払う保険料を減らす取り組み」が改革方針に含まれています。実現すれば、給与から天引きされる社会保険料の負担軽減につながる可能性があります。
よくある質問
財政法は、国の歳出は原則として税収などで賄うべきと定めています。例外的に国債が認められるのは「建設国債」——道路や橋など将来にわたって使える資産を作る場合だけです。橋は将来世代も使うので、費用を分担するのは公平だという論理です。
一方、日々の運営費(社会保障・人件費など)を賄う国債は、資産を残しません。だから財政法の原則では発行できず、特例法を作って例外的に認める形を取ります。これが特例公債=赤字国債です。
みらい議会の説明では「同じ法律はこれまでも5年ごとに更新されてきました。今の法律は2025年度末までが期限のため、新しい法律がないと、2026年度から必要な財源を確保できなくなります。」
今回の改正で、2026年度から2030年度までの5年間が新たな対象期間になります。
家計にたとえるなら、年間支出122万円、給料84万円、毎年30万円を借りて暮らしている状態です。しかもこれは今年始まったことではなく、何十年も続いた結果、借入残高は約1,145兆円に達しています。年収の13倍を超える借金です。
重要なのは、予算が成立しても、財源の裏づけ法がなければお金は動かないということです。そして最初に影響を受けるのは国の中枢ではなく現場——地方自治体への交付金、医療機関への支払い、公共工事の発注です。
みらい議会も「地方自治体:この法律が成立しないと、国から届くお金が遅れるおそれがあります」と明記しています。
ただし補足すると、5年分まとめて与えられるのは「発行の根拠」であり、実際にいくら発行するかは毎年の予算で国会が決めます。額のチェックは毎年行われる建前です。
問題は、予算審議で財政赤字そのものが正面から議論されるかです。必要なのは法律の期間を短くすることではなく、財政の状況を誰もが検証できる形で公開することだといえます。
これは避けられない事実です。投票権を持たない世代に負担を先送りしている——それが財政赤字の本質的な問題です。
ただし、借金をやめれば約30兆円分の支出を今すぐ削ることになります。社会保障、教育、地方交付税のどこかを大幅に切るしかありません。教育や子育てを削れば、将来世代の稼ぐ力そのものを削ぐことになります。
問うべきは「借りるか、借りないか」ではなく「何に借りるか」です。教育・研究・デジタル化への投資は将来世代のプラスになり、効果の検証されていない補助金はマイナスになります。
見直しが必要な理由は3つあります。①金額が見えにくい(減税は「取らなかった税」なので支出として認識されにくく、実質は補助金なのにチェックが甘い)、②いったん作ると消えにくい(受益者がいるため廃止に抵抗が生じる)、③効果検証が困難(検証されないまま継続されがち)。
増税や一律削減の前に、すでに使っているお金の効果を確かめる——この順序は正しいといえます。
日本の現役世代の負担は、所得税・住民税よりも社会保険料のほうが重いケースが少なくありません。しかも社会保険料は所得税のような累進性が弱く、低〜中所得層ほど負担率が高くなる逆進性を持ちます。
この方針が財政の法律に書き込まれたことは、「現役世代の手取りを増やす」という方向を明文化したことを意味します。ただし、具体策と工程はまだ示されていません。ここが今後の追及点です。
まとめ:借りることより、借りたお金の質を問う
2026年度、日本は122兆円を使い、84兆円しか集められません。足りない約30兆円は、借金で埋めます。そして積み上がった残高は約1,145兆円。返すのは、まだ投票権を持たない人たちです。
この法案は、その現実を法律の形で確認する作業です。気持ちのいい法案ではありません。
✅ 2026年度から2030年度までの5年間、特例公債(赤字国債)の発行を可能にする法律
✅ 2026年度予算は約122兆円、税収は約84兆円、不足約30兆円を借金で補う
✅ 国の金銭の借りいれは合計約1,145兆円。「返すのは将来の人たちです」
✅ 財政法の原則では赤字国債は発行できず、「特例法」で毎回認める形。5年ごとに更新されてきた
✅ 「お金の使い方と集め方の両面から改革を進める」と法律に書き込み。働く世代の保険料軽減も含む
✅ 租税特別措置(税の特別ルール)と補助金の見直しも明記
✅ 2012年には法律の成立が遅れ、予算が予定どおり使えなくなった前例がある
✅ 論点は「将来世代の負担」と「5年まとめでチェックが甘くならないか」
✅ チームみらいは賛成。「止まって困るのは現場」「使い方の改革が条文に入った」「保険料軽減の方向」という3つの論理に基づく
それでも賛成する理由は、この法律を止めても、財政は改善しないからです。止まるのは予算の執行だけ。困るのは、地方自治体であり、医療機関であり、学校であり、公共工事の現場です。2012年に、それは実際に起きました。
財政を改善する道は、別のところにあります。
効果の検証されないまま何十年も続いている減税と補助金を、洗い出すこと。行政のデジタル化と標準化で、同じサービスをより安く提供できるようにすること。そして——教育・研究・子育てへの投資は、削らないこと。そこを削れば、将来世代の稼ぐ力そのものが失われ、借金の返済原資が消えます。
この法律には、租税特別措置と補助金の見直しが書き込まれました。方向は正しい。しかし、「検討します」という言葉が、5年間の作文で終わる可能性も十分にあります。
次にこの法律が更新される2031年度までに、何が実行されたか。そこを見届けることが、賛成した側の責任です。
参考・出典
- みらい議会「財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案」
https://gikai.team-mir.ai/bills/05951a18-48a3-403d-8286-4d289b0146d0 - 財務省「法案の概要(PDF)」
- 財務省「第221回国会における財務省関連法律」
- 財務省「これからの日本のために財政を考える」
- 衆議院「議案審議経過情報」
※本記事はチームみらいの非公式応援サイトによる解説です。法案の正確な内容は必ず一次資料をご確認ください。数値はみらい議会の掲載情報に基づいています。グラフの比率は概算であり、厳密な内訳とは異なる場合があります。なお、みらい議会側の当該ページの内容は今後更新される可能性があります。