法律は、それを
「送金の道具」だと思っていた。
暗号資産を持っている人に聞けば、ほぼ全員がこう答えるでしょう。「値上がりを期待して持っている」と。実際、国内の口座は1,400万件を超えました。しかし日本の法律は、暗号資産を長らく「お金を送る道具」として規制してきました。だから、株式にはあるインサイダー取引の禁止も、詳細な情報開示の義務も、適用されなかった。投資しているのに、投資家として守られていない——その状態が、毎月350件以上の相談を金融庁に届かせています。
国内の暗号資産口座
金融庁への相談
寄せられた意見
改正のポイント数
2026年4月10日、「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案」が成立しました。中心は暗号資産を「金融商品」として規制し直すことですが、それだけではありません。大企業の気候変動情報の開示義務化やスタートアップの資金調達の緩和まで含む、幅広い改正です。
チームみらいはこの法案に「賛成」の立場を表明しました。
そして、みらい議会に寄せられた189件の意見には、実際に詐欺被害に遭った人たちの、生々しい声が含まれています。「送金時に3日ほど送金できなくしてほしい。そこで冷静に判断できるかもしれない」——この一文の重さから、この記事を始めたいと思います。
なぜ暗号資産は「送金の道具」として規制されてきたのか/金融商品になると何が変わるのか/インサイダー取引規制の意味/無登録業者との契約が無効になる仕組み/気候開示の義務化/スタートアップの資金調達緩和/意見が分かれる3つの論点/189件の被害者の声/チームみらいが賛成した理由/よくある質問
まず結論:この法案は何を決めたのか
審議のステータス
出典:みらい議会(gikai.team-mir.ai)/金融庁 法案資料
「送金の道具」から「投資の商品」へ
この改正の核心は、暗号資産の法的な位置づけを変えることにあります。
❌ これまで:送金の道具
- 資金決済法で規制
- 「お金を送る手段」としての位置づけ
- マネーロンダリング対策が中心
- インサイダー取引の規制なし
- 発行者の詳細な情報開示義務なし
- 投資家保護の枠組みが弱い
✅ これから:金融商品
- 金融商品取引法の枠組みへ
- 株や投資信託と同じ扱い
- 投資家を守るルールが適用
- インサイダー取引が禁止に
- 発行者・仲介業者に情報開示義務
- 無登録業者への罰則強化
ビットコインが登場した当初、その用途は「国境を越えて安く速く送金する手段」として説明されていました。中央銀行を介さず、手数料も安い。決済インフラとしての革新性が注目されたのです。
日本が資金決済法で規制枠組みを作ったのも、この理解に基づいています。「新しい送金手段だから、マネーロンダリングに使われないようにしよう」——当時としては妥当な判断でした。
【しかし実態は変わった】
みらい議会はこう記しています。「暗号資産は『送金の道具』として規制されてきましたが、今は投資目的で持つ人がほとんどです。」
決済に使う人はごく少数。大多数は値上がり益を狙って保有しています。それは実質的に、株式や投資信託と同じ投資行動です。実態が投資なのに、法律だけが決済のままだった——この乖離が、投資家保護の空白を生みました。
数字で見る、規制の必要性
多くの人が値上がりを期待して保有
毎月の件数。トラブルが増加
68人へのAIインタビューから44トピック
出典:みらい議会 法案解説ページ
1,400万件——日本の人口を考えれば、10人に1人以上が口座を持っている計算になります(重複保有もあるため実人数はこれより少ないと考えられます)。もはやニッチな存在ではありません。
そして毎月350件以上の相談。年間4,000件を超えるペースです。
改正の5つの柱
暗号資産を「投資の商品」として規制する
株や投資信託と同じ「金融商品」として扱い、投資する人を守るルールに変えます。暗号資産を発行する人や取引を仲介する会社に、くわしい情報の公開を義務づけます。
未公表の重要情報を使った売買を禁止
株式では、会社の関係者が公表前の情報で売買することは犯罪です。同じルールが暗号資産にも当てはまるようになります。たとえば取引所が新しい通貨の取り扱いを始める情報を、事前に知って売買することが禁止されます。
登録なしで暗号資産を売る業者への罰則を強化
国に届け出をせずに暗号資産を売る業者への罰則が重くなります。さらにこうした業者から買った暗号資産の売買は原則として無効になります。被害にあった人がお金を取り戻しやすくなる仕組みです。
大企業に環境への取り組みの公表を義務づけ
東証プライム市場に上場する大企業に、気候変動への取り組みの公表が義務になります。公表された内容が正しいか、外部の専門家がチェックする仕組みも取り入れます。
新しい会社がお金を集めやすくなる
起業したばかりの会社が投資家から資金を集める際の書類のルールが緩和されます。今は1億円以上集める時に必要だった届出書が、5億円以上からになります。プロの投資家からの資金調達がしやすくなります。
柱3が最も実効性を持つ理由
5つのなかで、被害者にとって最も直接的な意味を持つのがこれです。
❌ これまで
無登録業者から暗号資産を買って被害に遭った場合——→ 業者は処罰されるかもしれない
→ しかし支払ったお金は戻ってこない
→ 民事訴訟で取り返すのは、時間もコストもかかる
→ 業者が海外にいれば、事実上不可能
✅ 改正後
無登録業者から買った暗号資産の売買は原則として無効に。→ 契約が無効なら、支払ったお金を返す義務が生じる
→ 被害者が返還を求める法的な根拠が明確になる
→ 「違法に売る」ビジネスモデル自体が成立しにくくなる
刑事罰は、犯罪者を処罰します。しかし被害者のお金は戻ってきません。
契約を無効にするというのは、まったく別のアプローチです。「その取引はそもそも法的に存在しなかったことにする」——だから、受け取ったお金は返さなければならない。
これは業者にとって、刑事罰以上に痛い措置です。違法に売っても、集めたお金を保持できない。ビジネスとして成立しなくなります。
被害回復の観点から見て、これはこの法案で最も実効性の高い規定だと言えるでしょう。
189件の意見——被害者たちの具体的な提案
みらい議会には、68人へのAIインタビューから44件のトピックが抽出され、189件の意見が寄せられました。特筆すべきは、回答者に実際の詐欺被害者が含まれていることです。
トピック①「詐欺被害の防止を入口段階で進めるべきだ」(33件・全て期待)
当事者17名、市民16名。懸念は1件もなく、33件すべてが期待でした。
「無登録業者対策を最優先にしてほしいです。詐欺の多くは、金融庁に登録のない怪しい海外業者やSNS上の偽アカウントからの勧誘から始まります。どんなに国内のルールを厳しくしても、そもそも違法な『入り口』が開いたままでは被害はなくなりません。ネット広告の規制や、無登録サイトへのアクセス遮断など、一般人が詐欺に接触する機会を徹底的に減らす対策を急いでほしいです。」
— 取引経験者「銀行の振り込みのようにアドレスだけでなく目視で確認できるような項目や、過去に問題のあった業者のアドレスはアラートをだすなど」
— 詐欺被害者「送金時この取引は無効ですと警告を出して、実際に3日ほど送金できなくしてほしい。そこで冷静に判断できるかもしれない。」
— 詐欺被害者これは実際に被害に遭った人が、自分の経験から導き出した具体的な設計提案です。詐欺の手口は、多くの場合「今すぐ送金しないと機会を逃す」という焦りを作り出すことで成立します。
冷静に考える時間があれば、多くの人は思いとどまります。しかし暗号資産の送金は数分で完了し、取り消せません。「速い」ことが、そのまま「取り返しがつかない」ことになっているのです。
銀行振込には、高額送金時の確認や、振り込め詐欺救済法に基づく凍結の仕組みがあります。暗号資産には、それに相当する「摩擦」がありません。被害者が求めているのは、規制の強化というより「立ち止まる時間の設計」です。
トピック②「詐欺被害の迅速な凍結と資金追跡を進めるべきだ」(19件)
期待16件・懸念3件。当事者13名、市民6名です。
「被害が発覚した直後の『最初の数時間』が勝負なので、警察の正式な捜査や命令を待たずに、被害者の通報や110番の受理だけで、取引所がその口座を『一時的(数日間など)にロック』できる仕組みが最も大事だと思います。」
— 取引経験者「仮想通貨の詐欺被害者がとても増えているので、法律で規制して欲しい。被害回復の保証や海外取引所やウォレットの凍結を速やかにできるようにして欲しい」
— 暗号資産経験者「110番通報や警察に相談した際に発行される『受理番号』の入力」と、犯人とのやり取りや、送金画面のスクリーンショットの添付を最低限の条件にすべきだと思います。」
— 取引経験者3つ目の意見に注目してください。「受理番号の入力」「やり取りのスクリーンショットの添付」を条件にすべきと提案しています。
これは何を意味するか。「通報だけで口座をロックできる」仕組みには、濫用の危険があることを、被害者自身が理解しているということです。誰でも申告すれば他人の口座を凍結できるなら、それ自体が嫌がらせの道具になります。
だから「警察への通報という事実を裏づける受理番号」を要件にする。被害の切迫性と、制度の濫用防止を、両立させる設計を提案しているのです。
当事者の意見は、感情的な訴えではなく、実装可能な制度設計になり得る——みらい議会のようなAIインタビューの仕組みが可視化したのは、まさにこの事実です。
意見が分かれる3つの論点
| 論点 | 内容 |
|---|---|
| ① ルールが厳しすぎて暗号資産の会社は続けられるのか | 暗号資産を扱う会社は株式を扱う会社と同じルールに対応する必要があり、金融審議会でも「負担が重すぎて利用者の使いやすさが損なわれないよう配慮すべき」との意見が出ています。ルールが厳しすぎると会社が減り、利用者にとっての選択肢も減るおそれがあります。 |
| ② 国内のルールだけで海外の取引まで守れるのか | 暗号資産は国境を関係なく移動でき、国内のルールが届かない海外の取引所もあります。国内ルールを厳しくすると、利用者が海外の取引所に流れてしまう可能性も指摘されています。 |
| ③ 税率が下がると短期売買が増えないか | この法律自体に税金の変更は含まれていませんが、与党は暗号資産の税率を最大約55%から約20%に下げる方針を別途示しています。投資しやすくなる一方、値動きが激しい暗号資産への短期的な売買が増えるおそれもあります。 |
論点②は、この法案の構造的な限界
被害者自身が指摘しているとおり——「詐欺の多くは、金融庁に登録のない怪しい海外業者やSNS上の偽アカウントからの勧誘から始まります」。
国内の登録業者をどれだけ厳しく規制しても、被害の入口はそこではないのです。
⚠️ 規制が届く範囲
・国内の登録業者・国内で営業する事業者
→ まっとうにやっている会社ほど、負担が増える
→ 一方、被害の入口である海外の無登録業者には、直接手が届かない
✅ 被害者が求めている対策
・ネット広告の規制・無登録サイトへのアクセス遮断
・SNS上の偽アカウントへの対応
・送金前の警告と待機時間
→ 「入り口」を塞ぐ対策こそが本丸だという指摘
国内規制を厳しくすれば、まっとうな国内事業者の負担だけが増えます。使いにくくなれば、利用者は規制の緩い海外の取引所へ流れます。そして海外の取引所は、日本の当局が手を出せない場所にあります。
つまり、規制強化が、かえって利用者を保護の届かない場所へ押し出すという可能性です。
だからこそ、被害者が求めている「入口対策」——広告規制、アクセス遮断、送金前の警告——が決定的に重要になります。これらは今回の法案には含まれていません。次の課題として、明確に残されています。
暗号資産以外の2つの改正
この法案には、暗号資産とは別の重要な内容も含まれています。
気候変動情報の開示義務化
基準がなく、企業を比べられなかった
上場企業に環境への取り組みの公表は求められていましたが、決まった基準がなく、企業どうしを比べにくい状況でした。各社が好きな指標を好きな形式で出せば、投資家は判断できません。
プライム上場企業に義務化+外部チェック
東証プライム市場に上場する大企業に、気候変動への取り組みの公表が義務になります。さらに公表された内容が正しいか、外部の専門家がチェックする仕組みも導入されます。
企業が自ら「当社は環境に配慮しています」と公表するだけなら、その内容の正確さは誰も検証しません。実態が伴わないグリーンウォッシュ(環境配慮を装った見せかけ)が横行する余地が生まれます。
財務諸表には監査法人による監査があります。だからこそ投資家は数字を信頼できます。気候関連の開示にも同じ検証の仕組みを入れる——これが「外部の専門家がチェックする」という規定の意味です。
公表の義務化と、検証の仕組みはセットで初めて機能します。
スタートアップの資金調達を緩和
❌ これまで
1億円以上を集める場合、有価証券届出書の提出が必要。→ スタートアップにとって、届出書の作成は時間もコストも大きな負担
→ 資金調達のスピードが落ちる
→ 1億円というのは、成長企業にとって決して大きくない金額
✅ 改正後
届出書が必要になるのは5億円以上から。→ 1億〜5億円の調達が格段にやりやすくなる
→ プロの投資家からの資金調達がしやすくなる
→ 新しい会社にお金が回りやすくなる
一見すると矛盾しているように見えます。暗号資産では規制を強化し、スタートアップでは緩和する。方向が逆ではないか、と。
しかし、両者は同じ原理に立っています。「保護が必要な人に、必要な保護を」という原理です。
暗号資産を買っているのは、1,400万件という規模の一般の個人です。専門知識のない人が、値上がりを期待して買っている。だから厚い保護が要ります。
一方、スタートアップに1億円を出資するのは「投資の経験が豊富なプロの投資家」です。リスクを理解し、自ら精査する能力がある。彼らを守るために重い開示書類を課すのは、コストばかりで意味がありません。
規制は一律であるべきではなく、リスクと相手に応じて設計されるべき——この法案は、その原則を2つの方向で実装しています。
チームみらいはなぜ「賛成」を選んだのか
チームみらいは、この金商法・資金決済法改正案に賛成の立場を表明しました。「実態は投資なのに、法律は決済のまま」という乖離を放置すれば、被害は増え続けます。同時に、スタートアップの資金調達緩和は、同党が掲げる新産業育成の方向とも一致します。ただし、被害の入口である海外業者・SNS勧誘への対策は、この法案には含まれていません。
① 実態に規制を合わせる
1,400万件の口座の大半が投資目的です。投資している人を投資家として保護しないのは、制度の欠陥以外の何物でもありません。
② 契約無効という実効的な救済
刑事罰では被害金は戻りません。無登録業者との取引を無効にすることで、違法販売のビジネスモデル自体を成立させなくします。
③ リスクに応じた規制設計
一般個人には厚い保護を、プロ投資家には軽い手続きを。一律ではなく相手に応じた規制は、合理的な制度設計です。
「Web3推進」と「投資家保護」は両立する
暗号資産をめぐる議論は、しばしば「推進か規制か」という対立軸で語られます。規制すればイノベーションが死ぬ、規制しなければ被害者が出る——という構図です。
しかし、この対立には無理があります。詐欺が横行している市場に、まともな事業者は参入しません。そして一般の人も近づかなくなります。
株式市場が巨大な資金を集められるのは、インサイダー取引が禁止され、情報開示が義務づけられ、無登録業者が排除されているからです。ルールがあるから、人は安心してお金を預けられる。
暗号資産に同じルールを適用することは、市場を殺すのではなく、市場を成熟させる方向の変化です。実際、みらい議会も「世界では欧州や韓国が法律を整え、国際機関もルール作りを求めています」と記しています。
規制のない市場が「自由」なのではありません。それは単に、だます側が有利な市場だというだけです。
賛成したうえで、残された最大の宿題
33件すべてが期待を寄せたトピックの中心的な主張は、こうでした。「どんなに国内のルールを厳しくしても、そもそも違法な『入り口』が開いたままでは被害はなくなりません。」
そして具体的に求められたのは——
① ネット広告の規制(SNS上の詐欺的な勧誘広告)
② 無登録サイトへのアクセス遮断
③ 送金前の警告と待機時間(「3日ほど送金できなくしてほしい」)
④ 通報だけで一時的に口座をロックできる仕組み(受理番号を要件として濫用防止)
これらはいずれも、今回の法案には含まれていません。国内の登録業者を規制するだけでは、被害の入口は開いたままです。
賛成した政党が次にやるべきなのは、この4点を具体的な立法提案に落とし込むことでしょう。とくに③④は、テクノロジーの実装の問題であり、エンジニア出身議員が具体案を作れる領域です。
この改正で、誰の何が変わるのか
暗号資産を持っている人
不正な売買が禁止され、業者の情報公開が進むことで、だまされるリスクが減ります。インサイダー取引が犯罪になることで、一般投資家が構造的に不利な立場に置かれる状態が改善されます。
暗号資産を扱う会社
株式を扱う会社と同じ水準のルールに対応する必要があり、体制づくりの負担が増えます。金融審議会でも「負担が重すぎて利用者の使いやすさが損なわれないよう配慮すべき」との意見が出ています。
東証プライム市場の大企業
環境への取り組みを決まった基準で公表し、外部チェックを受ける義務が始まります。企業間の比較が可能になり、投資家が実態を判断できるようになります。
起業したばかりの会社
投資家からお金を集める時の書類の負担が減ります。届出書が必要になる基準が1億円から5億円へ。1億〜5億円という、成長期に最も必要な規模の調達が格段にやりやすくなります。
詐欺被害に遭った人
無登録業者から買った暗号資産の売買は原則無効となり、お金を取り戻しやすくなります。刑事罰だけでは戻らなかった被害金の回復に、法的な根拠が生まれます。
よくある質問
とくに大きいのは、インサイダー取引が犯罪になることです。これまでは取引所の関係者が「新しい通貨の取り扱いを始める」という未公表情報で先回りして売買しても、罪に問えませんでした。一般の投資家は構造的に不利な立場に置かれていたのです。
しかし実態は変わりました。決済に使う人はごく少数で、大多数は値上がり益を狙って保有しています。それは実質的に株式や投資信託と同じ投資行動です。実態が投資なのに法律だけが決済のままだった——この乖離が投資家保護の空白を生んでいました。
ただし、業者が海外にいて連絡が取れない、資産をすでに移してしまったといった場合には、実際の回収は依然として困難です。法的根拠ができることと、実際に回収できることは別である点には注意が必要です。
皮肉なことに、規制強化がかえって利用者を保護の届かない場所へ押し出す可能性があるのです。だからこそ、被害者が求めている「入口対策」——広告規制、無登録サイトへのアクセス遮断、送金前の警告——が決定的に重要になります。これらは今回の法案には含まれていません。
投資しやすくなる一方、論点として「値動きが激しい暗号資産への短期的な売買が増えるおそれ」も指摘されています。税制は別の法案で扱われるため、今回の改正とは切り離して議論を追う必要があります。
内容としては、東証プライム市場の大企業に気候変動への取り組みの公表を義務づけ、外部の専門家がその内容をチェックするというものです。これまでは決まった基準がなく企業間の比較ができませんでした。公表の義務化と検証の仕組みはセットで初めて機能します。
暗号資産を買っているのは1,400万件規模の一般個人で、専門知識のない人が値上がりを期待して買っています。だから厚い保護が要る。
一方、スタートアップに1億円を出資するのは「投資の経験が豊富なプロの投資家」です。リスクを理解し自ら精査する能力がある。彼らを守るために重い開示書類を課すのは、コストばかりで意味がありません。規制は一律ではなく、リスクと相手に応じて設計されるべきです。
まとめ:実態が変われば、法律も変わるべきだ
ビットコインが生まれたとき、それは「新しい送金手段」でした。だから日本は、送金手段としての法律を作りました。当時としては、正しい判断です。
しかし十数年が経ち、実態は完全に変わりました。1,400万件の口座の大半が、投資目的です。決済に使う人はごく少数。
それでも法律は、「送金の道具」という当初の理解のままでした。だから、株式には当たり前にあるインサイダー取引の禁止も、詳細な情報開示の義務も、適用されなかった。投資している人が、投資家として守られていない——毎月350件以上の相談は、その帰結です。
✅ 暗号資産を「送金の道具」から「金融商品」へ。株や投資信託と同じ投資家保護の枠組みへ
✅ 未公表の重要情報を使った売買(インサイダー取引)を禁止
✅ 無登録業者への罰則強化。無登録業者から買った暗号資産の売買は原則無効に
✅ 東証プライム上場企業に気候変動情報の公表を義務化+外部専門家によるチェック
✅ スタートアップの届出書が必要な基準を1億円から5億円へ緩和
✅ 背景に、国内口座1,400万件超、金融庁への相談が毎月350件以上という実態
✅ 189件の意見のうち、入口対策への期待は33件全てが賛意
✅ 被害者が求めたのは「広告規制」「無登録サイトの遮断」「送金前の待機時間」「通報での一時ロック」
✅ これらは今回の法案に含まれていない。次の課題として残る
✅ チームみらいは賛成。「実態に規制を合わせる」「契約無効という実効的な救済」「リスクに応じた規制設計」という3つの論理に基づく
最後に、もう一度だけ引用しておきます。詐欺被害に遭った人の言葉です。
「送金時この取引は無効ですと警告を出して、実際に3日ほど送金できなくしてほしい。そこで冷静に判断できるかもしれない。」
この提案は、法律ではなくシステムの設計で実現できるものです。そしておそらく、この法案のどの条文よりも、被害を減らす効果があります。
当事者の声が、そのまま制度設計の提案になっている。それを可視化したことが、みらい議会という仕組みの最大の成果かもしれません。あとは、それを実際の立法に接続できるかどうかです。
参考・出典
- みらい議会「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案」
https://gikai.team-mir.ai/bills/ec56c016-3cbe-4f4b-a58f-715218487b2f - 金融庁「法律案の概要」「説明資料」「法律案要綱」
- 金融庁「金融審議会 暗号資産制度に関するWG報告書」
- 金融庁「国会提出法案等」
- 内閣法制局「第221回国会提出法案」
※本記事はチームみらいの非公式応援サイトによる解説です。法案の正確な内容は必ず一次資料をご確認ください。数値・引用はみらい議会の掲載情報に基づいています。税制に関する記述は本法案の内容ではなく、別途示された方針についての言及です。AIインタビューの回答者は無作為抽出ではなく、意見の内訳を国民全体の世論として読むことはできません。なお、みらい議会側の当該ページは有識者レビュー中であり、今後内容が更新される可能性があります。